April 10, 1997 Vol. 336 No. 15
魚の消費と致命的心筋梗塞の 30 年リスク
FISH CONSUMPTION AND THE 30-YEAR RISK OF FATAL MYOCARDIAL INFARCTION
M.L. DAVIGLUS AND OTHERS
冠動脈性心疾患のリスクを低下させる可能性がある魚の摂取の効果に関する疫学的データは一貫していない.われわれは,シカゴ西部電気試験(Chicago Western Electric Study)のデータを用いて,ベースラインでの魚の消費と冠動脈性心疾患による死亡の 30 年リスクとの関係を調べた.
試験参加者は,ベースラインで心血管疾患を有しない 40~55 歳の男性 1,822 人であった.詳しい食事記録から求めた魚の消費量を分類した(0.1~17,18~34,≧35 g/日).死亡証明書により確認した冠動脈性心疾患による死亡率を,心筋梗塞による死亡(突然死または非突然死),またはその他の冠動脈原因による死亡に分類した.
47,153 追跡年人のあいだに,冠動脈性心疾患による死亡は 430 例であった;293 例は心筋梗塞によるものであった(196 例は突然死,94 例は非突然死,そして 3 例は分類不可能).Cox 比例危険回帰により,魚を毎日 35 g 以上消費する男性をまったく消費しない男性と比較すると,冠動脈性心疾患による死亡の相対危険度と突然または非突然心筋梗塞による死亡の相対危険度はそれぞれ,0.62(95%信頼区間,0.40~0.94)および 0.56(95%信頼区間,0.33~0.93)で,相対危険度と魚の消費分類のあいだには段階的関係があったことが示された(傾向に関する p はそれぞれ,0.04 および 0.02).これらの知見は,魚の消費と心筋梗塞による非突然死との関係によって説明された(相対危険度,0.33;95%信頼区間,0.12~0.91;傾向に関する p=0.007).
これらのデータは,魚の消費量と冠動脈性心疾患,特に心筋梗塞による非突然死とのあいだに反比例関係があることを示している.