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May 29, 1997 Vol. 336 No. 22

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輸入ラズベリーによる 1996 年のサイクロスポーラ症の大発生
AN OUTBREAK IN 1996 OF CYCLOSPORIASIS ASSOCIATED WITH IMPORTED RASBERRIES

B.L. HERWALDT, M.-L. ACKERS, AND THE CYCLOSPORA WORKING GROUP

背景

Cyclospora cayetanensis は胃腸炎を引き起す寄生虫である.昨年までは,北アメリカで発生したサイクロスポーラ症の報告症例のほとんどが,海外旅行者におけるものであった.1996 年,北アメリカでサイクロスポーラ症の大発生が起った.われわれはこの大発生を調査した.

方 法

保健省は,医師および検査室からサイクロスポーラ症の症例に関する情報を収集し,その後これらを防疫センターおよびカナダ保健省に報告した.われわれは,イベント(たとえば昼食)に関連した症例についてレトロスペクティブなコホート研究を行って,関与する食物源を特定しようとした.

結 果

20 州,コロンビア特別区,そしてカナダの 2 州からサイクロスポーラ症の症例 1,465 例が,報告された.これらの症例中 978 例(66.8%)が検査室で確認され,725 例(49.5%)が 5 月 3 日~6 月 14 日までに開かれた 55 のイベントに関係していた.50 のイベントでラズベリーが出されたのは明白で,四つのイベントでも出された可能性があった.適切なデータが入手できた 41 のイベント中 27 について(65.8%),ベリー類(ラズベリーのみまたはその他のベリー類と一緒)の摂取とサイクロスポーラ症との関連は統計学的に有意であった(p<0.05).データが良好な 29 のイベントすべてで,消費されたラズベリーはグアテマラから輸入されたことが明白(21 イベント,72.4%),もしくはその可能性があった(8 イベント,27.6%).ラズベリーをイベントごとに単一の輸入業者まで追跡できた 25 のイベントでは,グアテマラの農場 5 ヵ所が原因であった可能性がある.ラズベリーがなぜ汚染したのかは依然として不明である.

結 論

1996 年の北アメリカにおけるサイクロスポーラ症のこの大発生は,グアテマラ産のラズベリーの摂取によるものであった.この大発生は,食物を介する疾患の地域的な発生が広範囲に及ぶ発生の端緒となる可能性を考慮することと,関係する輸送手段を調査することの必要性を示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1548 - 56. )