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January 30, 1997 Vol. 336 No. 5

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アレルギー児の喘息に対する免疫療法の対照臨床試験
A CONTROLLED TRIAL OF IMMUNOTHERAPY FOR ASTHMA IN ALLERGIC CHILDREN

N.F. ADKINSON, JR., AND OTHERS

背景

アレルゲンの注射は喘息患者に幅広く行われているが,免疫療法の有効性に関してはほとんど知られていない.

方 法

中等度から重度の通年性(1 年中の)喘息を有するアレルギー児 121 人に多アレルゲン免疫療法の二重盲検プラセボ対照臨床試験を実施した.喘息に対する投薬を毎日必要とする児を無作為割付けして,7 種類までのアエロアレルゲン抽出混合物またはプラセボのいずれかを皮下注射した.18 ヵ月以上にわたって維持注射を行なった.最大流速と症状に基づいて 2~3 週間ごとに投薬量を調節した.主たる結果は毎日の投薬スコアであった.メタコリンに対する気管支感受性(1 秒量の 20%減少を誘発する濃度 [PC20])を年 2 回測定した.

結 果

投薬スコアの中央値は,免疫療法群では 5.4 から 4.9 に低下し(p<0.001),プラセボ群では,5.2 から 5.0 に低下した(p<0.001)が,2 群に有意差は認められなかった(p>0.6).経口コルチコステロイドを用いた日数は 2 群で同程度であった.喘息の部分的または完全な寛解は,免疫療法群の 31%に,プラセボ群の 28%に起った(p>0.5).医療の利用,症状,または最大流速について 2 群間の差を認めなかった.PC20 の中央値は両群ともに有意に増加したが,この場合も 2 群間に差を認めなかった.

結 論

2 年間にわたるアレルゲンの注射による免疫療法は,適切な治療を受けている通年性喘息を有するアレルギー児に明確な効果を示さなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 324 - 31. )