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January 9, 1997 Vol. 336 No. 2

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熱帯熱マラリア原虫マラリアに対する遺伝子組換えサーカムスポロゾイト蛋白ワクチンの予備的評価
A PRELIMINARY EVALUATION OF A RECOMBINANT CIRCUMSPOROZOITE PROTEIN VACCINE AGAINST PLASMODIUM FALCIPARUM MALARIA

J.A. STOUTE AND OTHERS

背景

マラリアに対するワクチン候補品は免疫抗原性が低く,したがってこれまで感染予防に無効であった.われわれは,免疫反応を増強するよう選択したアジュバントを加えた熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)のサーカムスポロゾイト蛋白に基づくワクチンを開発した.

方 法

スポロゾイト周囲蛋白を B 型肝炎表面抗原(HBsAg)と融合させたハイブリッドからなる抗原を,未融合の HBsAg とともに発現させた.マラリアにこれまで曝されたことのない被験者 46 人による非盲検臨床試験において,この抗原の 3 種類の製剤を評価した.

結 果

ワクチン製剤の 2 種類は高い免疫抗原性を示した.被験者 4 人は全身性の副反応を示したが,これは 2 回目の投与後の免疫反応の強さに起因した可能性があり,そのため 3 回目の投与量を減少させた.ワクチン接種被験者 22 人および非免疫対照者 6 人に対し,熱帯熱マラリア原虫に感染した蚊に咬ませるという試験を行った.対照被験者では 6 人全員にマラリアが発症し,ワクチン 1 を接種した被験者では 8 人中 7 人,ワクチン 2 を接種した被験者では 7 人中 5 人が発症した.対照的に,ワクチン 3 を接種した被験者で感染したのは 7 人中 1 人のみであった(感染の相対リスク,0.14;95%信頼区間,0.02~0.88;p < 0.005).

結 論

サーカムスポロゾイト蛋白と HBsAg の融合に蛋白アジュバントを加えた遺伝子組換えワクチンは,熱帯熱マラリア原虫のスポロゾイトによる実験的感染から保護することができる.防御免疫とワクチン接種スケジュールに関してさらに試験を行った後,熱帯熱マラリア原虫マラリアに対するこの新規ワクチンの実地試験を行うのが望ましい.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 86 - 91. )