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November 6, 1997 Vol. 337 No. 19

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ヒト免疫不全ウイルス感染女性におけるヒトパピローマウイルス感染
HUMAN PAPILLOMAVIRUS INFECTION IN WOMEN INFECTED WITH THE HUMAN IMMUNODEFICIENCY VIRUS

X-W. SUN AND OTHERS

背景

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染女性では,ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の有病率が高い.しかし,HIV 血清陽性女性における HPV 感染の自然経過に関してはほとんどわかっておらず,HPV 持続感染は,HIV 血清陽性女性の子宮頸部扁平上皮内病変と浸潤性子宮頸癌のリスクが高いことを説明できるかもしれない.

方 法

ニューヨーク市の HIV 血清陽性女性 220 人,HIV 血清陰性女性 231 人を,Pap 試験,HPV DNA 検査,腟拡大鏡診などを行う,半年ごとの婦人科検査で 2 回以上評価した.

結 果

HPV DNA は,初回検査で,HIV 血清陽性女性の 56%と,HIV 血清陰性女性の 31%に検出された.4 回の検査の後,HPV 感染の累積有病率は血清陽性女性で 83%,血清陰性女性で 62%であった(p<0.001).HPV 持続感染は血清陽性女性では 24%に認められたが,血清陰性女性では 4%にすぎなかった(p<0.001).血清陽性女性の 20%と血清陰性女性の 3%が,子宮頸癌ともっとも強く関連する HPV-16 関連ウイルス型(16,31,33,35,58),または HPV-18 関連型(18,45)への持続感染を示した(p<0.001).それまで血清検査陰性であった女性における HPV DNA の検出は,前回の検査後の期間における性行動とは関連しなかった.

結 論

HIV 血清陽性女性は,高グレード扁平上皮内病変および浸潤性子宮頸癌の発症に強く関連するタイプの HPV による HPV 持続感染を有する割合が高い.これらの持続感染は,HIV 血清陽性女性における扁平上皮内病変の発生率増加を説明する可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1343 - 9. )