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日本語アブストラクト

January 7, 1999 Vol. 340 No. 1

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抗菌処理した 2 種類の中心静脈カテーテルの比較
A COMPARISON OF TWO ANTIMICROBIAL-IMPREGNATED CENTRAL VENOUS CATHETERS

R.O. DAROUICHE AND OTHERS

背景

ミノマイシンとリファンピンあるいはクロルヘキシジンとサルファジアジン銀を浸み込ませる処理をした中心静脈カテーテルの使用は,未処理のカテーテルの使用と比較して,カテーテル培養によるコロニー形成およびカテーテルに関連した血液感染の発現率を低下させる.われわれは,これら 2 種類の抗感染処理したカテーテルと因果関係のあるカテーテルのコロニー形成率とカテーテルに関連した血液感染の発現率を比較した.

方 法

12 の大学附属病院において,プロスペクティブ無作為臨床試験を実施した.中心静脈カテーテルが 3 日以上留置されると予想された高リスクの成人患者に対して,ミノマイシンとリファンピン(カテーテルの内腔と外表の両方),またはクロルヘキシジンとサルファジアジン銀(外表のみ)で処理したポリウレタン製の 3 重構造のカテーテルのいずれかが挿入されるような無作為割り付けを行った.カテーテルの抜去後に,カテーテルの先端部と皮下に留置されていた部分を,回転平板法と超音波破砕法の二つの方法を用いて培養した.感染を示すような臨床所見があった場合には,末梢血の培養を行った.

結 果

挿入された 865 本のカテーテル中 738 本(85%)において,評価可能な培養結果が得られた.患者の臨床特性と感染のリスク因子は 2 群でよく似ていた.ミノマイシンとリファンピンで処理したカテーテルのコロニー形成は,クロルヘキシジンとサルファジアジン銀で処理したカテーテルの 1/3 程度で(356 本のカテーテルの 28 本 [7.9%] に対して 382 本中の 87 本 [22.8%],p<0.001),ミノマイシンとリファンピンで処理したカテーテルのカテーテルに関連した血液感染は 1/12 程度であった(356 本中の 1 本 [0.3%] に対して,クロルヘキシジンとサルファジアジン銀で処理したカテーテルでは 382 本中の 13 本 [3.4%];p<0.002).

結 論

クロルヘキシジンとサルファジアジン銀で処理したカテーテルの使用よりも,ミノマイシンとリファンピンで処理した中心静脈カテーテルの使用は,感染の発現率の低下と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1 - 8. )