The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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日本語アブストラクト

February 11, 1999 Vol. 340 No. 6

救命救急医療における輸血の必要性に関する多施設無作為比較対照臨床試験
A MUTICENTER, RANDOMIZED, CONTROLLED CLINICAL TRIAL OF TRANSFUSION REQUIREMENTS IN CRITICAL CARE

P.C. HÉBERT AND OTHERS

背景

危篤状態の患者において,赤血球の成分輸血の制限的使用方針と制限しない使用方針が同等の治療成績をもたらすかどうかを調べるために,あらゆる死因による 30 日目での死亡率と臓器の機能障害の重症度を比較した.

方 法

初期治療後の循環血液量が正常な危篤状態の患者で,集中治療室に運ばれてから 72 時間以内のヘモグロビン濃度が 9.0 g / dL 未満であった 838 例の患者を試験に組み入れた.そして,418 例の患者を輸血の制限的使用群に,420 例の患者を非制限的使用群に無作為に割り付けた.この制限的使用方針では,ヘモグロビン濃度が 7.0 g/ dL 未満に低下したら赤血球を輸血して,ヘモグロビン濃度を 7.0 ~ 9.0 g / dL に維持した.非制限的使用方針では,ヘモグロビン濃度が 10.0 g / dL に低下したら赤血球を輸血して,ヘモグロビン濃度を 10.0 ~ 12.0 g / dL に維持した.

結 果

全体では,30 日目までの死亡率は 2 群で同程度で あった(18.7% 対 23.3%,p = 0.11).しかし,急性度のより低い病態の患者-急性生理学および慢性健康評価 II(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation II)のスコアが≦ 20 の患者(制限的使用群では 8.7%,非制限的使用群では 16.1%,p = 0.03)-および年齢が 55 歳未満の患者(それぞれの群で 5.7%,13.0%; p = 0.02)では,制限的輸血使用で死亡率が有意に低かったが,臨床的に重大な意義のある心疾患の患者ではそうではなかった(それぞれの群で 20.5%,22.9%; p = 0.69).入院中の死亡率は制限的使用群で有意に低かった(22.2% 対 28.1%,p = 0.05).

結 論

急性心筋梗塞および不安定狭心症の患者はおそらく除外されると考えられるが,これらの患者を除いた危篤状態の患者における赤血球の成分輸血の制限的使用方針は,非制限的使用と少なくとも同程度の有効性があり,ことによると非制限的使用よりも優れているかもしれない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 409 - 17. )