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September 9, 1999 Vol. 341 No. 11

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重篤な病態の成人における成長ホルモン治療に関連した死亡率の上昇
Increased Mortality Associated with Growth Hormone Treatment in Critically Ill Adults

J. TAKALA AND OTHERS

背景

成長ホルモンを投与することによって,創傷,手術,および敗血症に対する異化反応を減弱させることができる.しかしながら,長期入院中の重篤な病態の成人において,この成長ホルモンの高用量投与が,集中治療室の在室期間および入院期間,機械的人工呼吸の施行期間,および転帰に及ぼす影響については明らかでない.

方 法

今回,われわれは,プラセボを対照とした二つのプロスペクティブ多施設共同二重盲検無作為比較試験を実施し,集中治療室に 5 ~ 7 日間滞在していた患者で,少なくとも 10 日間は集中治療が必要であると予想されたフィンランドの患者 247例と他の欧州諸国の患者 285 例を,同時平行にて,二つの試験に組み入れた.これらの患者は,心臓手術,腹部手術,多発外傷,あるいは急性呼吸不全の患者であった.患者には,成長ホルモン(平均[± SD ]1 日投与量,体重 1 kg 当り 0.10 ± 0.02 mg)またはプラセボのいずれかを,集中治療室に入ってから出るまでの期間,あるいは最長で 21 日間投与した.

結 果

院内死亡率は,成長ホルモンの投与を受けなかった患者よりも,投与を受けた患者で高かった(どちらの試験においても p < 0.001).この死亡率は,フィンランド試験では,成長ホルモン群が 39%であったのに対して,プラセボ群は 20%であった.多国試験では,死亡率は各群のそれぞれで 44%および 18%であった.成長ホルモンの投与を受けた患者の死亡についての相対危険度は,フィンランド試験では 1.9(95%信頼区間,1.3 ~ 2.9),多国試験では 2.4(95%信頼区間,1.6 ~ 3.5)であった.生存者では,集中治療室および病院での滞在期間と機械的人工呼吸の施行期間が,成長ホルモン群で長期化していた.

結 論

重篤な状態が長期化している患者において,成長ホルモンの高用量投与は,死亡率の上昇と疾患の悪化に関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 785 - 92. )