The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 9, 1999 Vol. 341 No. 11

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

第 V 因子の Leiden 突然変異およびプロトロンビンの G20210A 突然変異を併せ持ったヘテロ接合保因者の再発性深部静脈血栓症のリスク
The Risk of Recurrent Deep Venous Thrombosis Among Heterozygous Carriers of Both Factor V Leiden and the G20210A Prothrombin Mutation

V. DE STEFANO AND OTHERS

背景

第 V 因子の遺伝子の点突然変異(第 V 因子の Leiden 突然変異)とプロトロンビン遺伝子の点突然変異(部位 20210 の塩基 G が A に置換)は,遺伝性血栓性素因のもっとも一般的な原因である.第 V 因子の Leiden 突然変異が,再発性深部静脈血栓症のリスクを上昇させているか否かという点に関しては議論のあるところであり,これら両方の突然変異の保因者における再発のリスクに関する情報もない.

方 法

深部静脈血栓症の初回エピソードのために紹介されてきた 624 例の患者を対象に後ろ向きコホート研究を行った.これら以外の遺伝性または後天性の病因による血栓性素因であった 212 例の患者を除外し,第 V 因子の Leiden 突然変異がヘテロ接合であった保因者 112 例を,第 V 因子の Leiden 突然変異とプロトロンビンの突然変異の両方がヘテロ接合であった 17 例の患者,およびどちらの突然変異も有していなかった 283 例の患者と比較した.再発性深部静脈血栓症の相対リスクは,比例ハザードモデルを用いて求めた.

結 果

第 V 因子の Leiden 突然変異のみがヘテロ接合であった患者の再発性深部静脈血栓症のリスクは,どちらの突然変異をも有していなかった患者のリスクと同程度であった(相対リスク,1.1; 95%信頼区間,0.7 ~ 1.6; p = 0.76).これに対して,第 V 因子の Leiden 突然変異とプロトロンビンの突然変異の両方がヘテロ接合であった患者の再発性血栓症のリスクは,第 V 因子の Leiden 突然変異の単独保因者よりも高かった(相対リスク,2.6; 95%信頼区間,1.3 ~ 5.1; p = 0.002).自発的再発の患者(すなわち,静脈血栓症の一時的な危険因子が存在していない静脈血栓症患者)だけを対象とした解析でも,この二つの突然変異の保因者のリスクは,第 V 因子の Leiden 突然変異の単独保因者よりも高いままであった(相対リスク,3.7; 95%信頼区間,1.7 ~ 7.7; p < 0.001).とくに,初回のイベントも自然発生であった場合に高くなっていた(相対リスク,5.4; 95%信頼区間,2.0 ~ 14.1; p < 0.001).これとは対照的に,一時的な危険因子が存在していたときの再発リスクは,二つの突然変異の保因者と第 V 因子の Leiden 突然変異の単独保因者で同程度であった.

結 論

再発性深部静脈血栓症のリスクは,第 V 因子の Leiden 突然変異の保因者では,この突然変異を有していない患者と同程度であった.しかしながら,第 V 因子の Leiden 突然変異とプロトロンビンの G20210A 突然変異を併せ持った保因者は,初回エピソード後の再発性深部静脈血栓症のリスクが上昇しており,生涯抗凝固療法が行われうる患者である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 801 - 6. )