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January 22, 2009 Vol. 360 No. 4

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幼児におけるウイルス性喘鳴に対する高用量フルチカゾンの予防的使用
Preemptive Use of High-Dose Fluticasone for Virus-Induced Wheezing in Young Children

F.M. Ducharme and Others

背景

ウイルス性喘鳴は就学前児でよくみられるが,至適な管理方法は依然として明らかにされていない.われわれは,小児における反復性ウイルス性喘鳴の重症度を低下させるための高用量フルチカゾンを用いた予防的治療について,有効性と安全性を検討した.

方 法

1~6 歳の小児 129 例を,フルチカゾンプロピオン酸エステル 750 μg(バルブからの噴霧量 [製造元測定]),またはプラセボを 1 日 2 回吸入する群に無作為に割り付けた.吸入は上気道感染発症時から最長 10 日目までとした.試験期間は 6~12 ヵ月であった.主要転帰は,経口コルチコステロイドのレスキュー使用とした.副次的転帰は,症状,β2 作動薬の使用,救急部受診,入院,試験薬の中止,成長と骨密度の変化,コルチゾール基礎値,有害事象などとした.

結 果

中央値 40 週のあいだに,フルチカゾン群では上気道に感染した 8%で全身性コルチコステロイドのレスキュー使用にいたったのに対し,プラセボ群では 18%であった(オッズ比 0.49,95%信頼区間 [CI] 0.30~0.83).フルチカゾン群の小児は,プラセボ群の小児と比較して,ベースラインからの身長の増加(6.23±2.62 cm [非補正値],z スコア -0.19±0.42 cm 対 6.56±2.90 cm [非補正値],z スコア 0.00±0.48,ベースラインからエンドポイントまでの z スコアの群間差 -0.24 [95% CI -0.40~-0.08])と,体重の増加(1.53±1.17 kg [非補正値],z スコア -0.15±0.48 kg 対 2.17±1.79 kg [非補正値],z スコア 0.11±0.43,ベースラインからエンドポイントまでの z スコアの群間差 -0.26 [95% CI -0.41~-0.09 ])の平均(±SD)が小さかった.コルチゾール基礎値,骨密度,有害事象について両群間で有意差はなかった.

結 論

中等症~重症のウイルス性喘鳴を呈する就学前児において,高用量フルチカゾンを用いた予防的治療により,プラセボと比較して,経口コルチコステロイドのレスキュー使用の頻度が低下した.フルチカゾン投与に関連して,身長と体重の増加が少なくなった.過度に使用される可能性を考慮すると,この予防的方法は,長期的な有害作用が明らかになるまでは臨床に取り入れるべきではない.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00238927)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 339 - 53. )