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February 12, 2009 Vol. 360 No. 7

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心房細動における心血管イベントに対するドロネダロンの効果
Effect of Dronedarone on Cardiovascular Events in Atrial Fibrillation

S.H. Hohnloser and Others

背景

ドロネダロン(dronedarone)は,心房細動患者の治療のために開発中の新しい抗不整脈薬である.

方 法

心房細動に加え,その他の死亡危険因子を有する患者 4,628 例を対象に,ドロネダロンの使用について検討する多施設共同試験を実施した.患者を,ドロネダロン 400 mg を 1 日 2 回投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰は,心血管イベントによる初回入院または死亡とした.副次的転帰は,あらゆる原因による死亡,心血管系の原因による死亡,心血管イベントによる入院とした.

結 果

平均追跡期間は 21±5 ヵ月で,試験薬の投与はドロネダロン群 2,301 例中 696 例(30.2%)と,プラセボ群 2,327 例中 716 例(30.8%)で早期に中止された.大部分は有害事象が理由であった.主要転帰は,ドロネダロン群 734 例(31.9%),プラセボ群 917 例(39.4%)で発生し,ドロネダロンのハザード比は 0.76 であった(95%信頼区間 [CI] 0.69~0.84,P<0.001).死亡は,ドロネダロン群 116 例(5.0%),プラセボ群 139 例(6.0%)であった(ハザード比 0.84,95% CI 0.66~1.08,P=0.18).心血管系の原因による死亡は,ドロネダロン群 63 例(2.7%),プラセボ群 90 例(3.9%)であったが(ハザード比 0.71,95% CI 0.51~0.98,P=0.03),これは主に,ドロネダロン投与により不整脈死が減少したことによるものであった.ドロネダロン群では,プラセボ群に比べ徐脈,QT 間隔延長,悪心,下痢,発疹,血清クレアチニン値の上昇が高頻度に認められた.甲状腺・肺と関連した有害事象の発生率には両群間で有意差はみられなかった.

結 論

ドロネダロンにより,心房細動患者の心血管イベントによる入院と死亡の発生率が低下した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00174785)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 668 - 78. )