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日本語アブストラクト

January 1, 2009 Vol. 360 No. 1

死体腎移植における機械灌流保存と冷却保存の比較
Machine Perfusion or Cold Storage in Deceased-Donor Kidney Transplantation

C. Moers and Others

背景

死体ドナーから提供された移植腎の保存には,一般的に浸漬冷却が用いられる.低温機械灌流保存により移植後の転帰が改善する可能性があるが,この可能性について,十分な検出力をもって検証した前向き研究はほとんどない.

方 法

この多国間無作為化比較試験では,連続した 336 体の死体ドナーの両腎を,それぞれ機械灌流保存と冷却保存に無作為に割り付けた.レシピエント全 672 例を 1 年間追跡した.主要エンドポイントは,移植後腎機能障害(delayed graft function;移植後 1 週間以内に透析を要する)とした.副次的エンドポイントは,移植後腎機能障害の期間,血清クレアチニン値の低下率で定義した移植後腎機能障害,原発性グラフト機能不全,血清クレアチニン値とクリアランス,急性拒絶反応,カルシニューリン酵素阻害薬の毒性,入院期間,移植腎生着率と患者生存率とした.

結 果

機械灌流保存により移植後腎機能障害のリスクは有意に低下した.移植後に腎機能障害が発現した患者は,機械灌流保存群では 70 例であったのに対し,冷却保存群では 89 例であった(補正オッズ比 0.57,P=0.01).また機械灌流保存により,血清クレアチニン値の低下率は有意に改善し,移植後腎機能障害の期間は短縮された.機械灌流保存は,移植から 2 週間のあいだの血清クレアチニン値の低下と,移植腎廃絶リスクの低下と関連していた(ハザード比 0.52,P=0.03).移植腎の 1 年生着率は機械灌流保存群のほうが優れていた(94% 対 90%,P=0.04).その他の副次的エンドポイントに有意差はみられなかった.機械灌流保存に直接起因する重篤な有害事象はなかった.

結 論

低温機械灌流保存により,移植後腎機能障害のリスクは低下し,移植後 1 年間の移植腎生着率は改善した.(Current Controlled Trials 番号:ISRCTN83876362)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 360 : 7 - 19. )