The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

October 1, 2009 Vol. 361 No. 14

心不全イベントの予防を目的とした心臓再同期療法
Cardiac-Resynchronization Therapy for the Prevention of Heart-Failure Events

A.J. Moss and Others

背景

この試験は,軽度の心症状,駆出率低下,幅の広い QRS 群のみられる患者に対し,心臓再同期療法(CRT)を両室ペーシングと併用して行うことで,死亡または心不全イベントのリスクが減少するかどうかを検討する目的でデザインされた.

方 法

虚血性心筋症または非虚血性心筋症を有し,駆出率 30%以下,QRS 幅 130 msec 以上で,ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類 I 度または II 度の患者 1,820 例を,4.5 年間にわたり登録し追跡調査した.患者を,CRT と植込み型除細動器(ICD)を併用する群(1,089 例)と,ICD のみを用いる群(731 例)に 3:2 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,あらゆる原因による死亡または非致死的な心不全イベント(先に生じたほう)とした.心不全イベントの診断は治療割付けを知っている医師が行ったが,その判定は割付けを知らない委員会が行った.

結 果

平均 2.4 年間の追跡期間に,CRT+ICD 群 1,089 例中 187 例(17.2%)と ICD 単独群 731 例中 185 例(25.3%)で主要エンドポイントが発生した(CRT+ICD 群のハザード比 0.66,95%信頼区間 [CI] 0.52~0.84,P=0.001).虚血性心筋症患者と非虚血性心筋症患者のあいだで,有益性に有意差は認められなかった.CRT の優越性は,心不全イベントリスクの 41%の減少に基づくものであったが,この所見は主に,事前に規定した QRS 幅 150 msec 以上のサブグループで認められた.CRT は,有意な左室容積の減少と駆出率の改善に関連していた.全死亡リスクには両群間で有意差は認められず,年間死亡率は各群 3%であった.重篤な有害事象の頻度は両群とも低かった.

結 論

CRT と ICD の併用により,駆出率が低下し,QRS 幅が広く,比較的症状が少ない患者の心不全イベントのリスクが減少した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00180271)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 1329 - 38. )