The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 31, 2009 Vol. 361 No. 27

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

ハンセン病のゲノムワイド関連研究
Genomewide Association Study of Leprosy

F.-R. Zhang and Others

背景

らい菌(Mycobacterium leprae)は宿主域が狭く,培養での増殖がむずかしいため,ハンセン病の研究・生物学的解明には限界がある.感染感受性と疾患の進行には宿主の遺伝的要因が影響していると考えられる.

方 法

まず症例 706 例,対照 1,225 例の遺伝子型を Human610-Quad BeadChip(Illumina 社)を用いて決定し,ゲノムワイド関連研究を行った.その後,再現性試験として 3 つの独立した集団において,ハンセン病と,ゲノムワイド関連研究でハンセン病ともっとも強い関連が認められた 93 個の一塩基多型(SNP)との関連を検証した.再現性試験の対象は症例 3,254 例,対照 5,955 例であった.これら 93 個の SNP と,臨床的亜型(多菌型と少菌型)で層別化した疾患との関連の不均一性についても検証した.

結 果

遺伝子 CCDC122C13orf31NOD2TNFSF15HLA-DRRIPK2 の SNP に有意な関連が認められた(P<1.00×10-10).LRRK2 の SNP には関連する傾向が認められた(P=5.10×10-5).C13orf31LRRK2NOD2RIPK2 の SNP と多菌型ハンセン病との関連は,少菌型ハンセン病との関連よりも強かった.

結 論

NOD2 を介したシグナル伝達経路(自然免疫応答を制御)の遺伝子の変異は,M. leprae 感染感受性と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 2609 - 18. )