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August 13, 2009 Vol. 361 No. 7

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乳癌に関連したリンパ浮腫を呈する女性におけるウエイトリフティング
Weight Lifting in Women with Breast-Cancer-Related Lymphedema

K.H. Schmitz and Others

背景

乳癌に関連したリンパ浮腫を呈する女性では,一般にウエイトリフティングは禁じられているため,骨密度の増加など,ウエイトリフティングの確立されている健康上の利益を得ることができない.

方 法

上腕に安定したリンパ浮腫を呈する乳癌生存者 141 例を対象に,徐々に強度を上げていく,週 2 回のウエイトリフティングの無作為化対照試験を実施した.主要転帰は 1 年後の上腕と手の腫脹の変化とし,患肢と健肢の体積を水置換法により測定した.副次的転帰は,リンパ浮腫の増悪率,リンパ浮腫症状の数と重症度,筋力などとした.参加者には,ウエイトリフティングを行う際に,よく合った圧迫着衣の着用を求めた.

結 果

上腕の腫脹が 5%以上増大した女性の割合は,ウエイトリフティング群(11%)と対照群(12%)で同等であった(累積発生率比 1.00,95%信頼区間 0.88~1.13).対照群に比べて,ウエイトリフティング群では,自己報告によるリンパ浮腫の重症度(P=0.03)と,上半身の筋力・下半身の筋力(ともに P<0.001)が改善し,認定リンパ浮腫専門医の評価によるリンパ浮腫の増悪率が低かった(14% 対 29%,P=0.04).介入に関連した重篤な有害事象は認められなかった.

結 論

リンパ浮腫を呈する乳癌生存者において,徐々に強度を上げるウエイトリフティングは,上腕の腫脹に有意な影響を及ぼすことなくリンパ浮腫の増悪率を低下させ,症状は軽減し,筋力が強化された.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00194363)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 664 - 73. )