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May 3, 2018 Vol. 378 No. 18

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ドライアイの治療のための n–3 脂肪酸補給
n–3 Fatty Acid Supplementation for the Treatment of Dry Eye Disease

The Dry Eye Assessment and Management Study Research Group

背景

ドライアイは,QOL を低下させる眼不快感と視覚障害を特徴とする,頻度の高い慢性疾患である.症状緩和のために,n–3 脂肪酸(しばしば ω3 脂肪酸と呼ばれる)サプリメントの使用を推奨する医師が多い.

方 法

多施設共同二重盲検臨床試験で,中等度~重度のドライアイ患者を,魚由来の n–3 脂肪酸であるエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸合わせて 1 日 3,000 mg を経口摂取する群(サプリメント群)と,プラセボとしてオリーブ油を摂取する群(プラセボ群)に無作為に割り付けた.主要評価項目は眼表面疾患指数(OSDI;0~100 で,スコアが大きいほど症状の重症度が高いことを示す)のベースラインからの平均変化量とし,6 ヵ月時と 12 ヵ月時のスコアの平均をもとに評価した.副次的評価項目は結膜染色スコア(0~6)と角膜染色スコア(0~15)(いずれもスコアが大きいほど眼表面の障害が重度であることを示す)の 1 眼あたりの平均変化量や,涙液層破壊時間(瞬目から涙液層が破綻をきたすまでの秒数),シルマー試験の測定値(下眼瞼に留置した紙片の濡れる長さ)(いずれも値が小さいほど重度であることを示す)の平均変化量などとした.

結 果

349 例をサプリメント群に,186 例をプラセボ群に割り付け,それぞれ 329 例と 170 例を主要解析の対象とした.サプリメント群とプラセボ群とで,OSDI スコアの平均変化量に有意差は認められなかった(それぞれ -13.9 点と -12.5 点,欠損データ補完後の変化量の差の平均 -1.9 点,95%信頼区間 [CI] -5.0~1.1,P=0.21).事前に規定した全サブグループで一致する結果が得られた.サプリメント群とプラセボ群とで,結膜染色スコア(変化の差の平均 0.0 点,95% CI -0.2~0.1),角膜染色スコア(0.1 点,95% CI -0.2~0.4),涙液層破壊時間(0.2 秒,95% CI -0.1~0.5),シルマー試験の測定値(0.0 mm,95% CI -0.8~0.9)について,ベースラインからの平均変化量に有意差は認められなかった.12 ヵ月の時点で,赤血球中の n–3 脂肪酸値に基づくサプリメント群の治療遵守率は 85.2%であった.有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

結 論

ドライアイ患者のうち,n–3 脂肪酸を 3,000 mg 含有するサプリメントの 12 ヵ月間の摂取に無作為に割り付けられた例は,プラセボ摂取に割り付けられた例と比較して,有意に良好な転帰を示すことはなかった.(米国国立衛生研究所の国立眼病研究所から研究助成を受けた.DREAM 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02128763)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 1681 - 90. )