The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 8, 2018 Vol. 378 No. 10

喘息増悪の抑制を目的とした 4 倍量の吸入ステロイド
Quadrupling Inhaled Glucocorticoid Dose to Abort Asthma Exacerbations

T. McKeever and Others

背景

喘息患者は疾病の増悪におびえ,また増悪によって死にいたることもある.われわれは,成人および思春期の喘息患者を対象に,喘息コントロールが悪化し始めたときに吸入ステロイド(糖質コルチコイド)を一時的に 4 倍に増量するなどの,患者自身が喘息を管理する計画(自己管理計画)により,重度の喘息増悪の発生率が低下するという概念を検証した.

方 法

他の治療との併用を問わず吸入ステロイドの投与を受けており,過去 12 ヵ月間に増悪を 1 回以上起こしている成人および思春期の喘息患者を対象に,実用的非盲検無作為化試験を行った.吸入ステロイドを 4 倍に増量することを含む自己管理計画(4 倍量群)を,そのような増量を行わない自己管理計画(非 4 倍量群)と 12 ヵ月間比較検討した.主要評価項目は初回の重度の喘息増悪までの期間とし,全身性ステロイドによる治療または喘息による予定外の受診と定義した.

結 果

無作為化した 1,922 例のうち,1,871 例を主要解析の対象とした.無作為化後の 1 年間に重度の喘息増悪を起こした患者は,4 倍量群では 420 例(45%)であったのに対し,非 4 倍量群では 484 例(52%)であり,初回の重度の喘息増悪までの期間の補正ハザード比は 0.81(95%信頼区間 0.71~0.92)であった(P=0.002).有害作用は主に吸入ステロイドの局所作用に関連するものであり,発現率は 4 倍量群のほうが非 4 倍量群よりも高かった.

結 論

成人および思春期の喘息患者を対象とした試験において,喘息コントロールが悪化し始めたときに吸入ステロイドを一時的に 4 倍に増量するなどの個別化自己管理計画により,吸入ステロイドの増量を行わない計画と比較して,重度の喘息増悪の発生率が低下した.(英国国立健康研究所医療技術評価プログラムから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN15441965)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 378 : 902 - 10. )