The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

August 9, 2018 Vol. 379 No. 6

妊娠期および授乳期のビタミン D 投与と乳児の成長
Vitamin D Supplementation in Pregnancy and Lactation and Infant Growth

D.E. Roth and Others

背景

ビタミン D 欠乏症の頻度が高い地域で,妊娠期および授乳期の母体へのビタミン D 投与が胎児および乳児の成長を改善するかどうかは明らかにされていない.

方 法

バングラデシュで行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験で,分娩前(妊娠 17~24 週から分娩まで)と分娩後の週 1 回ビタミン D 投与が,主要転帰とした世界保健機関(WHO)の子どもの成長基準に基づく 1 歳時の乳児の年齢別身長の z スコアに及ぼす効果を評価した.1 つ目の群は分娩前も分娩後もビタミン D 投与を受けなかった(プラセボ群).3 つの群は分娩前にのみビタミン D 投与を受け,投与量は 4,200 IU(分娩前 4,200 群),16,800 IU(分娩前 16,800 群),28,000 IU(分娩前 28,000 群)であった.5 つ目の群は分娩前と分娩後 26 週間に投与を受け,投与量は 28,000 IU(分娩前・分娩後 28,000 群)であった.

結 果

1 歳時に評価を受けた乳児 1,164 例(妊娠 1,300 件のうちの 89.5%)において,年齢別身長の z スコアの平均(±SD)に群間で有意差は認められなかった.スコアはプラセボ群 -0.93±1.05,分娩前 4,200 群 -1.11±1.12,分娩前 16,800 群 -0.97±0.97,分娩前 28,000 群 -1.06±1.07,分娩前・分娩後 28,000 群 -0.94±1.00 であった(群間差に対する全体的な検定で P=0.23).その他の身体測定値,出生転帰,有病率に群間で有意差は認められなかった.ビタミン D 投与は,母児の 25-ヒドロキシビタミン D とカルシウムの血清中濃度,母親の尿中カルシウム排泄量,母親の副甲状腺ホルモン濃度に対し,期待どおりの効果があった.最大量を投与された女性で高カルシウム尿症の可能性があるとされた人の割合が高かったことを除けば,有害事象の頻度に群間で有意差は認められなかった.

結 論

分娩前のビタミン D 欠乏症と胎児および乳児の発育不全が蔓延している人口集団において,妊娠中期から分娩まで,または分娩後 6 ヵ月まで母体にビタミン D 投与を行っても,胎児または乳児の成長は改善しなかった.(ビル&メリンダ・ゲイツ財団から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01924013)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2018; 379 : 535 - 46. )