The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

April 18, 2019 Vol. 380 No. 16

急性冠症候群後または PCI 後の心房細動に対する抗血栓療法
Antithrombotic Therapy after Acute Coronary Syndrome or PCI in Atrial Fibrillation

R.D. Lopes and Others

背景

急性冠症候群を有するか,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けたばかりで心房細動を起こした患者に対する適切な抗血栓レジメンは明らかにされていない.

方 法

2×2 要因デザインの国際試験において,急性冠症候群を有するか PCI を受け,P2Y12 阻害薬の内服が計画されていた心房細動患者を,アピキサバンまたはビタミン K 拮抗薬,ならびにアスピリンまたはマッチさせたプラセボの 6 ヵ月間の投与に無作為に割り付けた.主要評価項目は大出血,または大出血ではないが臨床的に重要な出血とした.副次的評価項目は死亡または入院,虚血性イベントの複合などとした.

結 果

33 ヵ国の患者 4,614 例を登録した.主要評価項目,副次的評価項目のいずれにも,2 つの無作為化因子のあいだに有意な交互作用は認められなかった.大出血または大出血ではないが臨床的に重要な出血は,アピキサバン投与患者では 10.5%に認められたのに対し,ビタミン K 拮抗薬投与患者では 14.7%に認められ(ハザード比 0.69,95%信頼区間 [CI] 0.58~0.81,非劣性と優越性のいずれも P<0.001),アスピリン投与患者では 16.1%に認められたのに対し,プラセボ投与患者では 9.0%に認められた(ハザード比 1.89,95% CI 1.59~2.24,P<0.001).アピキサバン群の患者は,死亡または入院の発生率がビタミン K 拮抗薬群の患者よりも低く(23.5% 対 27.4%,ハザード比 0.83,95% CI 0.74~0.93,P=0.002),虚血性イベントの発生率は同程度であった.アスピリン群の患者は,死亡または入院の発生率,虚血性イベントの発生率がプラセボ群の患者と同程度であった.

結 論

心房細動を起こし,最近急性冠症候群を発症したか PCI を受け,P2Y12 阻害薬による治療を受ける患者において,アピキサバンを含みアスピリンを併用しない抗血栓レジメンでは,ビタミン K 拮抗薬またはアスピリン,あるいはその両方を含むレジメンと比較して出血と入院が少なく,虚血性イベントの発生率に有意差は認められなかった.(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社,ファイザー社から研究助成を受けた.AUGUSTUS 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02415400)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 1509 - 24. )