The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 6, 2019 Vol. 380 No. 23

季節性マラリアの化学予防にアジスロマイシンを追加することの効果
Effect of Adding Azithromycin to Seasonal Malaria Chemoprevention

D. Chandramohan and Others

背景

トラコーマ対策を目的としたアジスロマイシンの集団投与は,エチオピアの小児における全死因死亡率の持続的な低下をもたらした.季節性マラリアの化学予防に用いられるスルファドキシン(sulfadoxine)–ピリメタミン(pyrimethamine)とアモジアキン(amodiaquine)の月 1 回投与にアジスロマイシンを追加することで,アフリカの小児の死亡と障害を減少させることができるかどうかは明らかにされていない.

方 法

ブルキナファソとマリにおいて,生後 3~59 ヵ月の児を世帯ごとに,1 年のうちマラリアが伝播するシーズン中,スルファドキシン–ピリメタミンとアモジアキンの投与に加え,アジスロマイシンを投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.併用投与は,3 日間を 1 サイクルとして 1 ヵ月間隔で 4 サイクル,3 シーズン連続で行った.主要エンドポイントは死亡,または外傷・待期的手術以外での 24 時間以上の入院とした.データは能動的サーベイランスと受動的サーベイランスにより記録した.

結 果

2014 年 7 月に,19,578 人を,季節性マラリアの化学予防にアジスロマイシンを併用する群(9,735 人)とプラセボを併用する群(9,843 人)に無作為に割り付けた.各年,5 歳に達した児は試験から除外し,新たな児を登録した.intention-to-treat 解析では,3 回のマラリア伝播シーズン中の死亡および入院の総数は,アジスロマイシン群で 250 件,プラセボ群で 238 件であった(1,000 リスク人年あたりのイベント数 24.8 対 23.5,発生率比 1.1,95%信頼区間 [CI] 0.88~1.3).per-protocol 解析においても結果は同様であった.アジスロマイシン群でプラセボ群よりも発生頻度が低かったイベントは消化管感染症(1,647 件 対 1,985 件,発生率比 0.85,95% CI 0.79~0.91),上気道感染症(4,893 件 対 5,763 件,発生率比 0.85,95% CI 0.81~0.90),マラリア以外の熱性疾患(1,122 件 対 1,424 件,発生率比 0.79,95% CI 0.73~0.87).マラリア原虫血症の有病率と有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

結 論

ブルキナファソとマリの小児において,季節性マラリアの化学予防に用いる抗マラリア薬にアジスロマイシンを追加しても,プラセボを追加した場合と比較して死亡,または外傷・手術以外での入院の発生率は低くはならなかったが,アジスロマイシンのほうがプラセボよりも疾病負担が小さいことが示された.(Joint Global Health Trials 計画から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02211729)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 2197 - 206. )