The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 31, 2019 Vol. 380 No. 5

両側内胸動脈グラフトと片側内胸動脈グラフトとの 10 年後の転帰の比較
Bilateral versus Single Internal-Thoracic-Artery Grafts at 10 Years

D.P. Taggart and Others

背景

冠動脈バイパス術(CABG)後の生存期間は,複数の動脈グラフトを使用した場合に,1 本の動脈グラフトを使用した場合と比較して長くなる可能性がある.われわれは,CABG における両側内胸動脈の使用を評価した.

方 法

CABG が予定されている患者を,両側内胸動脈グラフトを使用する群と片側内胸動脈グラフトを使用する群に無作為に割り付けた.適応があれば追加の動脈グラフトまたは静脈グラフトを使用した.主要転帰は 10 年の時点での全死因死亡とした.副次的転帰は全死因死亡,心筋梗塞,脳卒中の複合とした.

結 果

1,548 例が両側内胸動脈グラフトを使用する群(両側内胸動脈群),1,554 例が片側内胸動脈グラフトを使用する群(片側内胸動脈群)に無作為に割り付けられた.両側内胸動脈群では 13.9%が片側内胸動脈のみを使用し,片側内胸動脈群では 21.8%が橈骨動脈グラフトも使用した.10 年の時点で,患者の 2.3%の生存状況が不明であった.10 年の時点での intention-to-treat 解析では,両側内胸動脈群における死亡は 315 例(20.3%),片側内胸動脈群における死亡は 329 例(21.2%)であった(ハザード比 0.96,95%信頼区間 [CI] 0.82~1.12,P=0.62).死亡,心筋梗塞,脳卒中の複合転帰について,いずれかのイベントが両側内胸動脈群では 385 例(24.9%),片側内胸動脈群では 425 例(27.3%)で発生した(ハザード比 0.90,95% CI 0.79~1.03).

結 論

CABG が予定され,両側内胸動脈を使用する群と,片側内胸動脈を使用する群とに無作為に割り付けられた患者では,intention-to-treat 解析において,10 年の時点での全死因死亡率に群間で有意差は認められなかった.複数の動脈グラフトのほうが 1 本の内胸動脈よりも良好な転帰が得られるかどうかを明らかにするには,さらなる研究が必要である.(英国心臓財団ほかから研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN46552265)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 437 - 46. )