The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 3, 2019 Vol. 380 No. 1

成人の再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対するチサゲンレクルユーセル
Tisagenlecleucel in Adult Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma

S.J. Schuster and Others

背景

一次治療と二次治療に抵抗性を示すびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫,または幹細胞移植後に再発したびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の患者の予後は不良である.キメラ抗原受容体(CAR)T 細胞療法であるチサゲンレクルユーセル(tisagenlecleucel)は CD19 発現 B 細胞を標的として除去し,単一施設での第 2a 相試験では B 細胞リンパ腫に対して有効性を示した.

方 法

再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫の成人患者で,自家造血幹細胞移植不適応例または自家造血幹細胞移植後に病勢が進行した例を対象に,中央で製造されたチサゲンレクルユーセルの国際第 2 相ピボタル試験を行った.主要評価項目は最良全奏効率(完全奏効または部分奏効が得られた患者の割合)とし,独立判定委員会が判定した.

結 果

93 例が注入を受け,有効性評価の対象となった.注入からデータカットオフまでの期間の中央値は 14 ヵ月(範囲 0.1~26)であった.最良全奏効率は 52%(95%信頼区間 41~62)であり,内訳は 40%が完全奏効,12%が部分奏効であった.奏効率は,予後サブグループ全体で一貫していた.初回奏効後 12 ヵ月の時点での無再発生存率は 65%(完全奏効が得られた患者の 79%)と推定された.とくに注目していたグレード 3 または 4 の有害事象で頻度が高かったのは,サイトカイン放出症候群(22%),神経学的イベント(12%),28 日を超えて持続する血球減少症(32%),感染症(20%),発熱性好中球減少症(14%)などであった.3 例が,注入後 30 日以内に病勢進行により死亡した.チサゲンレクルユーセル,サイトカイン放出症候群,脳浮腫に起因する死亡はなかった.奏効群のあいだで,腫瘍における CD19 や免疫チェックポイント関連蛋白の発現量に差は認められなかった.

結 論

成人の再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫に対する CAR-T 細胞療法の国際試験では,チサゲンレクルユーセルの使用により,高い持続的奏効率が得られた.(Novartis 社から研究助成を受けた.JULIET 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02445248)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 45 - 56. )