The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 21, 2019 Vol. 380 No. 8

癌患者における静脈血栓塞栓症予防のためのアピキサバン
Apixaban to Prevent Venous Thromboembolism in Patients with Cancer

M. Carrier and Others

背景

活動性の癌を有する患者は静脈血栓塞栓症のリスクが高く,相当な障害,死亡,医療支出をもたらす.Khorana スコア(0~6 で,スコアが高いほど静脈血栓塞栓症のリスクが高いことを示す)は,この合併症のリスクが高い癌患者の特定における妥当性が確認されており,血栓予防で利益が得られる可能性のある患者の選別に有用と考えられる.

方 法

癌を有し,静脈血栓塞栓症のリスクが中~高(Khorana スコア 2 以上)で,化学療法を開始する外来患者を対象に,血栓予防を目的とするアピキサバン(2.5 mg を 1 日 2 回)の有効性と安全性を評価する,無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験を行った.主要有効性転帰は,180 日間の追跡期間中に客観的に記録された静脈血栓塞栓症とした.主な安全性転帰は重大な出血エピソードとした.

結 果

無作為化された 574 例のうち,修正 intention-to-treat 解析の対象は 563 例であった.静脈血栓塞栓症は,アピキサバン群の 288 例中 12 例(4.2%)とプラセボ群の 275 例中 28 例(10.2%)に発生した(ハザード比 0.41,95%信頼区間 [CI] 0.26~0.65,P<0.001).修正 intention-to-treat 解析では,重大な出血は,アピキサバン群の 10 例(3.5%)とプラセボ群の 5 例(1.8%)に発生した(ハザード比 2.00,95% CI 1.01~3.95,P=0.046).投与期間中に,重大な出血は,アピキサバン群の 6 例(2.1%)とプラセボ群の 3 例(1.1%)に発生した(ハザード比 1.89,95% CI 0.39~9.24).

結 論

癌を有し,化学療法を開始する中~高リスクの外来患者では,アピキサバン療法によりプラセボと比較して静脈血栓塞栓症の発生率が有意に低下した.重大な出血エピソードの発生率は,アピキサバン群のほうがプラセボ群よりも高かった.(カナダ国立保健研究機構,ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とファイザー社のアライアンスから研究助成を受けた.AVERT 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02048865)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 711 - 9. )