The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 26, 2019 Vol. 381 No. 13

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

潰瘍性大腸炎の寛解導入療法および維持療法としてのウステキヌマブ
Ustekinumab as Induction and Maintenance Therapy for Ulcerative Colitis

B.E. Sands and Others

背景

インターロイキン-12 およびインターロイキン-23 の p40 サブユニット拮抗薬であるウステキヌマブの,潰瘍性大腸炎患者における寛解導入療法および維持療法としての有効性は明らかにされていない.

方 法

中等症~重症の潰瘍性大腸炎患者を対象に,8 週間の寛解導入療法,および 44 週間の維持療法としてウステキヌマブを評価した.961 例を,寛解導入療法としてウステキヌマブを静注する群(130 mg [320 例],または体重の範囲別に約 6 mg/kg 体重 [322 例])と,プラセボを静注する群(319 例)に無作為に割り付けた.ウステキヌマブの静注の 8 週間後に寛解導入療法に反応を示していた患者を,維持療法としてウステキヌマブ 90 mg を皮下注する群(12 週ごと [172 例] または 8 週ごと [176 例])と,プラセボを皮下注する群(175 例)に再度無作為に割り付けた.寛解導入試験(8 週時点)と維持試験(44 週時点)の主要評価項目は,臨床的寛解(Mayo スケール [0~12 点で,スコアが高いほど重症であることを示す] の合計が 2 点以下で,Mayo スケールを構成する 4 項目のサブスコア [0~3 点] に 1 点を超えるものがないことと定義)とした.

結 果

8 週の時点で臨床的寛解を達成した患者の割合は,ウステキヌマブ 130 mg の静注を受けた患者(15.6%),6 mg/kg の静注を受けた患者(15.5%)のほうが,プラセボの静注を受けた患者(5.3%)よりも有意に高かった(いずれの比較も P<0.001).ウステキヌマブによる寛解導入療法に反応を示し,2 回目の無作為化を受けた患者のうち,44 週の時点で臨床的寛解を達成した患者の割合は,ウステキヌマブ 90 mg の 12 週ごとの皮下注に割り付けられた患者(38.4%),8 週ごとの皮下注に割り付けられた患者(43.8%)のほうが,プラセボの皮下注に割り付けられた患者(24.0%)よりも有意に高かった(それぞれ P=0.002 と P<0.001).ウステキヌマブによる重篤な有害事象の発現率は,プラセボと同程度であった.52 週の曝露期間中,ウステキヌマブの投与を受けた 825 例では死亡が 2 例(急性呼吸促迫症候群による死亡と食道静脈瘤出血による死亡),癌が 7 例(前立腺癌,結腸癌,乳頭状腎細胞癌,直腸癌が各 1 例,非黒色腫皮膚癌が 3 例)あり,プラセボの投与を受けた 319 例では死亡例はなく,癌が 1 例(精巣癌)あった.

結 論

中等症~重症の潰瘍性大腸炎患者において,ウステキヌマブは,プラセボよりも寛解の導入と維持に有効であった.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社から研究助成を受けた.UNIFI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02407236)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1201 - 14. )