The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 7, 2019 Vol. 381 No. 19

心停止後の早期人工呼吸器関連肺炎の予防
Prevention of Early Ventilator-Associated Pneumonia after Cardiac Arrest

B. François and Others

背景

ショック適応リズムの院外心停止後,目標体温管理により治療される患者は,人工呼吸器関連肺炎のリスクが高い.予防的な短期の抗菌薬治療の利益は示されていない.

方 法

初期波形がショック適応リズムの院外心停止後に人工呼吸管理を受け,32~34℃での目標体温管理により治療されている成人(18 歳超)の集中治療室(ICU)患者を対象に,多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.抗菌薬治療中の患者,多剤耐性菌の慢性保菌者,瀕死状態の患者は除外した.アモキシシリン+クラブラン酸(それぞれ 1 g と 200 mg)またはプラセボの静脈内投与 1 日 3 回 2 日間を,心停止後 6 時間以内に開始した.主要転帰は,早期(入院後 7 日間)の人工呼吸器関連肺炎とした.独立判定委員会が人工呼吸器関連肺炎の診断を確認した.

結 果

198 例を無作為化し,194 例を解析の対象とした.判定後,60 例の人工呼吸器関連肺炎が確定され,うち 51 例が早期人工呼吸器関連肺炎であった.早期人工呼吸器関連肺炎の発生率は,予防的抗菌薬群のほうがプラセボ群よりも低かった(19 例 [19%] 対 32 例 [34%],ハザード比 0.53,95%信頼区間 0.31~0.92,P=0.03).抗菌薬群と対照群とのあいだで,後期人工呼吸器関連肺炎(それぞれ 4%と 5%),人工呼吸器離脱日数(21 日と 19 日),ICU 在室期間(患者が退院した場合は 5 日と 8 日,患者が死亡した場合は 7 日と 7 日),28 日死亡率(41%と 37%)に有意差は認められなかった.7 日の時点で,耐性菌の増加は認められなかった.重篤な有害事象に群間で有意差は認められなかった.

結 論

初期波形がショック適応リズムの院外心停止後,32~34℃での目標体温管理戦略を受けている患者において,アモキシシリン+クラブラン酸による 2 日間の抗菌薬治療により,プラセボと比較して,早期人工呼吸器関連肺炎の発生率が低くなった.その他,人工呼吸器離脱日数,28 日死亡率などの重要な臨床的変数に,群間で有意差は認められなかった.(フランス保健省から研究助成を受けた.ANTHARTIC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02186951)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1831 - 42. )