The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 21, 2019 Vol. 381 No. 21

駆出率が低下した心不全患者におけるダパグリフロジン
Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction

J.J.V. McMurray and Others

背景

2 型糖尿病患者において,ナトリウム–グルコース共輸送体 2(SGLT2)阻害薬は,おそらくグルコースとは独立した機序を介して,心不全による初回入院のリスクを低下させる.2 型糖尿病の有無を問わず,心不全と診断され,駆出率が低下している患者への SGLT2 阻害薬の影響については,より多くのデータが必要である.

方 法

第 3 相プラセボ対照試験で,ニューヨーク心臓協会(NYHA)分類 II~IV 度の心不全を有する,駆出率が 40%以下の患者 4,744 例を,推奨される治療に加えて,ダパグリフロジン(10 mg 1 日 1 回)を投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要転帰は,心不全の悪化(心不全による入院または心不全による経静脈治療にいたる緊急受診),心血管系の原因による死亡の複合とした.

結 果

中央値 18.2 ヵ月間で,主要転帰は,ダパグリフロジン群では 2,373 例中 386 例(16.3%),プラセボ群では 2,371 例中 502 例(21.2%)に発生した(ハザード比 0.74,95%信頼区間 [CI] 0.65~0.85,P<0.001).初回の心不全悪化は,ダパグリフロジン群の 237 例(10.0%)とプラセボ群の 326 例(13.7%)に発生した(ハザード比 0.70,95% CI 0.59~0.83).心血管系の原因による死亡は,ダパグリフロジン群の 227 例(9.6%)とプラセボ群の 273 例(11.5%)に発生し(ハザード比 0.82,95% CI 0.69~0.98),全死因死亡はそれぞれ 276 例(11.6%)と 329 例(13.9%)に発生した(ハザード比 0.83,95% CI 0.71~0.97).結果は,糖尿病を有する患者と有しない患者とで同様であった.体液量減少,腎機能障害,低血糖に関連する有害事象の頻度に,群間で差は認められなかった.

結 論

駆出率が低下した心不全患者では,糖尿病の有無を問わず,ダパグリフロジンを投与した患者のほうがプラセボを投与した患者よりも,心不全の悪化または心血管系の原因による死亡のリスクが低かった.(アストラゼネカ社から研究助成を受けた.DAPA-HF 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03036124)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1995 - 2008. )