The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 28, 2019 Vol. 381 No. 22

視神経脊髄炎スペクトラムに対するサトラリズマブの試験
Trial of Satralizumab in Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder

T. Yamamura and Others

背景

視神経脊髄炎スペクトラム(NMOSD)は中枢神経系の自己免疫疾患であり,患者の約 2/3 では抗アクアポリン 4 自己抗体(AQP4-IgG)が関連している.インターロイキン-6 はこの疾患の成因に関与している.サトラリズマブ(satralizumab)は,インターロイキン-6 受容体を標的とするヒト化モノクローナル抗体である.NMOSD 患者において,免疫抑制療法にサトラリズマブを併用した場合の有効性は明らかにされていない.

方 法

第 3 相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で,NMOSD 患者を,血清 AQP4-IgG 陽性・陰性を問わず,一定の投与量で実施中の免疫抑制療法に加えて,サトラリズマブ 120 mg を併用する群とプラセボを併用する群に 1:1 の割合で無作為に割り付け,0,2,4 週目と,その後は 4 週ごとに皮下投与した.主要評価項目は,生存時間(time-to-event)解析での,初回のプロトコール規定再発とした.主な副次的評価項目は,疼痛ビジュアルアナログスケール(VAS)スコア(0~100 で,スコアが高いほど疼痛が強いことを示す)と,慢性疾患治療の機能評価・疲労(FACIT-F)スコア(0~52 で,スコアが低いほど疲労が大きいことを示す)における,ベースラインから 24 週までの変化量とした.安全性も評価した.

結 果

83 例を登録し,41 例をサトラリズマブ群,42 例をプラセボ群に割り付けた.二重盲検期間中のサトラリズマブ投与期間の中央値は 107.4 週であった.再発は,サトラリズマブ群の 8 例(20%),プラセボ群の 18 例(43%)に認められた(ハザード比 0.38,95%信頼区間 [CI] 0.16~0.88).打切りデータに対して多重代入法を用いると,ハザード比は 0.34~0.44 となった(対応する P 値 0.01~0.04).血清 AQP4-IgG 陽性患者 55 例では,再発はサトラリズマブ群の 11%,プラセボ群の 43%に認められ(ハザード比 0.21,95% CI 0.06~0.75),血清 AQP4-IgG 陰性患者 28 例では,再発はそれぞれ 36%と 43%に認められた(ハザード比 0.66,95% CI 0.20~2.24).疼痛 VAS スコアの平均値の変化量における群間差は 4.08(95% CI -8.44~16.61)であり,FACIT-F スコアの平均値の変化量における群間差は -3.10(95% CI -8.38~2.18)であった.重篤な有害事象の発現率と感染の発生率に群間で差はなかった.

結 論

NMOSD 患者において,免疫抑制療法にサトラリズマブを併用した場合,プラセボの併用と比較して再発リスクが低下したが,疼痛および疲労に対する影響にプラセボとの差はなかった.(中外製薬株式会社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02028884)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 2114 - 24. )