The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 12, 2023 Vol. 388 No. 2

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

遅発型小脳失調症における深部イントロン FGF14 GAA リピート伸長
Deep Intronic FGF14 GAA Repeat Expansion in Late-Onset Cerebellar Ataxia

D. Pellerin and Others

背景

遅発型小脳失調症(LOCA)の大部分は,分子診断が困難である.

方 法

フランス系カナダ人の 3 家系に属する常染色体顕性(優性)LOCA の 6 例でゲノムの配列決定を行い,病因候補のリピート伸長を同定した.次に,そのリピート伸長と,2 つの独立した症例対照シリーズ(フランス系カナダ人 [症例 66 例,対照 209 例],ドイツ人 [症例 228 例,対照 199 例])における疾患との関連を検討した.また,オーストラリア人の発端患者 20 例,インド人の発端患者 31 例で,このリピートの遺伝子型決定を行った.死後小脳 2 検体,人工多能性幹細胞(iPS 細胞)由来の運動ニューロン細胞株 2 株で,遺伝子・蛋白発現解析を行った.

結 果

フランス系カナダ人の患者 6 例で,線維芽細胞増殖因子 14 をコードする FGF14 の第 1 イントロンの深部に GAA のリピート伸長を同定した.このリピート伸長が 3 家系における疾患と共分離したことは,GAA の 250 以上のリピート([GAA]≧250)が疾患発症の閾値であることを支持している.フランス系カナダ人のシリーズでは,FGF14(GAA)≧250 伸長と LOCA とのあいだに有意な関連が認められ(オッズ比 105.60,95%信頼区間 [CI] 31.09~334.20,P<0.001),ドイツ人のシリーズでも認められた(オッズ比 8.76,95% CI 3.45~20.84,P<0.001).このリピート伸長は,フランス系カナダ人の発端患者の 61%,ドイツ人の発端患者の 18%,オーストラリア人の発端患者の 15%,インド人の発端患者の 10%に認められた.全体で,FGF14(GAA)≧250 伸長を有する LOCA 患者を 128 例同定した.死後小脳検体と患者の iPS 細胞由来運動ニューロンで,FGF14 RNA と蛋白の発現低下が認められた.

結 論

顕性遺伝する FGF14 の深部イントロンの GAA リピート伸長が,LOCA と関連することが明らかになった.(モナコグループ財団ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 128 - 41. )