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June 8, 2023 Vol. 388 No. 23

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進行子宮体癌に対するペムブロリズマブと化学療法の併用
Pembrolizumab plus Chemotherapy in Advanced Endometrial Cancer

R.N. Eskander and Others

背景

子宮体癌に対する標準的な一次化学療法は,パクリタキセルとカルボプラチンの併用である.化学療法にペムブロリズマブを追加することの有益性は明らかでない.

方 法

二重盲検プラセボ対照無作為化第 3 相試験で,測定可能病変を有する(III 期または IVA 期)子宮体癌,IVB 期子宮体癌,再発子宮体癌のいずれかを有する患者 816 例を,パクリタキセル+カルボプラチンの併用療法とともに,ペムブロリズマブを投与する群とプラセボを投与する群に 1:1 の割合で割り付けた.ペムブロリズマブとプラセボの投与は,3 週ごとに 6 サイクル行ったあと,維持療法として 6 週ごとに最大 14 サイクル行う予定とした.患者を,ミスマッチ修復機構欠損あり(dMMR)とミスマッチ修復機構欠損なし(pMMR)の 2 つのコホートに層別化した.術後補助化学療法歴は,化学療法を受けていない期間が 12 ヵ月以上であれば問わないこととした.主要転帰は,2 つのコホートにおける無増悪生存期間とした.中間解析は,死亡または病勢進行が dMMR コホートでは 84 件以上発生したあと,pMMR コホートでは 196 件以上発生したあとに行う計画とした.

結 果

12 ヵ月間の解析で,dMMR コホートにおける無増悪生存割合の Kaplan–Meier 推定値は,ペムブロリズマブ群で 74%,プラセボ群で 38%であり(病勢進行または死亡のハザード比 0.30,95%信頼区間 [CI] 0.19~0.48,P<0.001),相対リスク減少率は 70%であった.pMMR コホートにおける無増悪生存期間の中央値は,ペムブロリズマブ群で 13.1 ヵ月,プラセボ群で 8.7 ヵ月であった(ハザード比 0.54,95% CI 0.41~0.71,P<0.001).有害事象は,ペムブロリズマブと併用化学療法で予想されたとおりであった.

結 論

進行または再発子宮体癌患者において,標準化学療法にペムブロリズマブを追加することで,化学療法単独と比較して無増悪生存期間が有意に延長した.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.NRG-GY018 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03914612)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 2159 - 70. )