The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

June 8, 2023 Vol. 388 No. 23

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

原発性進行または再発子宮体癌に対するドスタルリマブ
Dostarlimab for Primary Advanced or Recurrent Endometrial Cancer

M.R. Mirza and Others

背景

ドスタルリマブ(dostarlimab)は,プログラム細胞死 1(PD-1)受容体を標的とする免疫チェックポイント阻害薬である.子宮体癌の治療において,化学療法と免疫療法の併用により相乗効果が得られる可能性がある.

方 法

第 3 相国際共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った.原発性進行 III 期または IV 期子宮体癌,もしくは初回再発子宮体癌の適格患者を,ドスタルリマブ(500 mg)を投与する群とプラセボを投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.化学療法は,カルボプラチン(血中濃度–時間曲線下面積 5 mg/mL/分)とパクリタキセル(175 mg/m2 体表面積)の 3 週ごと投与を 6 サイクル行い,その後ドスタルリマブ(1,000 mg)またはプラセボの 6 週ごと投与を最長 3 年間行った.主要エンドポイントは,固形癌治療効果判定基準(RECIST)バージョン 1.1 に基づき試験担当医師が評価した無増悪生存と,全生存とした.安全性も評価した.

結 果

無作為化された 494 例のうち,118 例(23.9%)がミスマッチ修復機構欠損(dMMR),高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)腫瘍を有していた.dMMR–MSI-H 集団における 24 ヵ月の時点での推定無増悪生存割合は,ドスタルリマブ群で 61.4%(95%信頼区間 [CI] 46.3~73.4),プラセボ群で 15.7%(95% CI 7.2~27.0)であった(進行または死亡のハザード比 0.28,95% CI 0.16~0.50,P<0.001).集団全体における 24 ヵ月の時点での推定無増悪生存割合は,ドスタルリマブ群で 36.1%(95% CI 29.3~42.9),プラセボ群で 18.1%(95% CI 13.0~23.9)であった(ハザード比 0.64,95% CI 0.51~0.80,P<0.001).24 ヵ月の時点での全生存割合は,ドスタルリマブ群で 71.3%(95% CI 64.5~77.1),プラセボ群で 56.0%(95% CI 48.9~62.5)であった(死亡のハザード比 0.64,95% CI 0.46~0.87).治療中に発現または悪化した有害事象でとくに頻度が高かったのは,悪心(ドスタルリマブの投与を受けた患者の 53.9%,プラセボの投与を受けた患者の 45.9%に発現),脱毛症(53.5%と 50.0%),疲労(51.9%と 54.5%)であった.重度および重篤な有害事象の頻度は,ドスタルリマブ群がプラセボ群よりも高かった.

結 論

原発性進行または再発子宮体癌患者において,ドスタルリマブとカルボプラチン+パクリタキセルを併用することで無増悪生存割合は有意に上昇し,dMMR–MSI-H 集団では大きな利益が得られた.(GSK 社から研究助成を受けた.RUBY 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03981796)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 2145 - 58. )