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February 9, 2023 Vol. 388 No. 6

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末梢型 IA 期非小細胞肺癌に対する肺葉切除術と縮小手術との比較
Lobar or Sublobar Resection for Peripheral Stage IA Non–Small-Cell Lung Cancer

N. Altorki and Others

背景

腫瘍径の小さい末梢型非小細胞肺癌(NSCLC)の検出率が上昇したことで,肺葉切除術ではなく,縮小手術を用いることに再び関心が集まっている.

方 法

多施設共同非劣性第 3 相試験を行い,臨床病期 T1aN0(腫瘍径 2 cm 以下)の NSCLC 患者を,手術中にリンパ節転移陰性を確認したあと,縮小手術を行う群と肺葉切除術を行う群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは無病生存とし,無作為化から,疾患再発または全死因死亡までの期間と定義した.副次的エンドポイントは,全生存,局所再発・全身再発,肺機能とした.

結 果

2007 年 6 月~2017 年 3 月に,697 例が,縮小手術群(340 例)と肺葉切除術群(357 例)に割り付けられた.追跡期間中央値 7 年の時点で,縮小手術は,無病生存率に関して,肺葉切除術に対して非劣性を示した(疾患再発または死亡のハザード比 1.01,90%信頼区間 [CI] 0.83~1.24).さらに,縮小手術後の全生存率は,肺葉切除術後と同程度であった(死亡のハザード比 0.95,95% CI 0.72~1.26).5 年無病生存率は,縮小手術後で 63.6%(95% CI 57.9~68.8),肺葉切除術後で 64.1%(95% CI 58.5~69.0)であった.5 年全生存率は,縮小手術後で 80.3%(95% CI 75.5~84.3),肺葉切除術後で 78.9%(95% CI 74.1~82.9)であった.局所再発率と遠隔再発率に 2 群間で大きな差はなかった.術後 6 ヵ月の時点で,予測 1 秒量に対する比率の中央値には群間で 2 パーセントポイントの差があり,縮小手術群のほうが良好であった.

結 論

腫瘍径 2 cm 以下の,肺門・縦隔リンパ節転移陰性が病理学的に確認された末梢型 NSCLC 患者において,縮小手術は,無病生存に関して,肺葉切除術に対して非劣性を示した.全生存は 2 つの術式で同程度であった.(米国国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.CALGB 140503 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00499330)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 489 - 98. )