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February 9, 2023 Vol. 388 No. 6

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Covid-19 に対するペグインターフェロン λ による早期治療
Early Treatment with Pegylated Interferon Lambda for Covid-19

G. Reis and Others

背景

症状を伴った急性期新型コロナウイルス感染症(Covid-19)外来患者の,臨床イベント予防におけるペグインターフェロン λ の単回投与の有効性は明らかにされていない.

方 法

ブラジルとカナダで,重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)に感染した成人を対象に,無作為化比較適応的プラットフォーム試験を行った.患者の大部分はワクチン接種を受けていた.Covid-19 に一致する急性の臨床状態で,症状発現後 7 日以内に受診した外来患者に,ペグインターフェロン λ(単回皮下注射,180 μg)またはプラセボ(単回注射または経口)を投与した.主要複合転帰は,無作為化後 28 日以内の Covid-19 による入院(または三次病院への転院),または救急受診(観察時間>6 時間)とした.

結 果

933 例がペグインターフェロン λ 投与群(2 例はプロトコール逸脱のためその後除外),1,018 例がプラセボ投与群に割り付けられた.全体で,患者の 83%がワクチン接種を受けており,試験期間中には,多数の SARS-CoV-2 変異株が出現した.主要転帰イベントは,インターフェロン群では 931 例中 25 例(2.7%)に発生したのに対し,プラセボ群では 1,018 例中 57 例(5.6%)に発生し,差の比は 51%であった(相対リスク 0.49,95%ベイズ信用区間 0.30~0.76,プラセボに対する優越性の事後確率>99.9%).副次的転帰の解析では,Covid-19 による入院までの期間(ハザード比 0.57,95%ベイズ信用区間 0.33~0.95)や,Covid-19 に関連する入院または死亡までの期間(ハザード比 0.59,95%ベイズ信用区間 0.35~0.97)など,結果は大部分が一致していた.効果は主要な変異株のあいだで一致しており,ワクチンの接種状況とは独立していた.ベースラインのウイルス量が多かった患者のうち,ペグインターフェロン λ の投与を受けた患者では,7 日目までに,プラセボの投与を受けた患者よりもウイルス量が減少していた.有害事象の発現率は 2 群で同程度であった.

結 論

大部分はワクチン接種を受けていた Covid-19 外来患者では,入院または救急受診(観察時間>6 時間)の発生率は,ペグインターフェロン λ の単回投与を受けた患者のほうが,プラセボの投与を受けた患者よりも有意に低かった.(ファストグランツほかから研究助成を受けた.TOGETHER 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04727424)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 518 - 28. )