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February 16, 2023 Vol. 388 No. 7

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5 歳未満の小児における BNT162b2 Covid-19 ワクチンの評価
Evaluation of BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Children Younger than 5 Years of Age

F.M. Muñoz and Others

背景

幼児用の,新型コロナウイルス感染症(Covid-19)に対する安全で有効なワクチンが緊急に必要とされている.

方 法

生後 6 ヵ月~11 歳の健康な小児を対象に BNT162b2 ワクチンの第 1 相用量設定試験を行い,現在,第 2・3 相安全性・免疫原性・有効性試験を実施中である.生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児と 2~4 歳の小児について,データカットオフ日(安全性と免疫原性は 2022 年 4 月 29 日,有効性は 2022 年 6 月 17 日)までの結果を報告する.第 2・3 相試験では,参加者を,BNT162b2 3 μg を 2 回接種する群と,プラセボを接種する群に(2:1 の割合で)無作為に割り付けた.免疫原性の予備的結果に基づき,3 μg の 3 回目の接種(2 回目の接種後 8 週間以上あける)を 2022 年 1 月から開始した.この時期に,B.1.1.529 変異株(オミクロン株)が出現した.生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児と 2~4 歳の小児における,2 回目と 3 回目の接種後 1 ヵ月の時点での免疫応答を,ピボタル試験で BNT162b2 の 30 μg の接種を受けた 16~25 歳の 2 回目の接種後の応答と,免疫ブリッジングして評価した.

結 果

第 1 相用量設定試験では,BNT162b2 を,生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児 16 例(3 μg)と,2~4 歳の小児 48 例(3 μg または 10 μg)に 21 日間隔で 2 回接種した.第 2・3 相試験には 3 μg の用量を選択し,BNT162b2 を生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児 1,178 例と,2~4 歳の小児 1,835 例に接種し,プラセボをそれぞれ 598 例と 915 例に接種した.3 回目の接種後 1 ヵ月の時点での幾何平均比と血清反応に基づく免疫ブリッジングの成功基準は,両年齢群で達成された.BNT162b2 の反応原性事象の大部分は軽度~中等度であり,グレード 4 の事象はなかった.接種後に報告された発熱の頻度は低く,同程度であり,BNT162b2 については生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児で 7%,2~4 歳の小児で 5%,プラセボについては生後 6 ヵ月~2 歳未満の小児で 6~7%,2~4 歳の小児で 4~5%であった.生後 6 ヵ月~4 歳の小児では,有症状の Covid-19 に対するワクチンの全体的な有効性の観察値は,3 回目の接種後 7 日以降で 73.2%(95%信頼区間 43.8~87.6)であった(34 症例に基づく).

結 論

生後 6 ヵ月~4 歳の小児において,BNT162b2 3 μg を 3 回接種する初回免疫は,安全で,免疫原性があり,有効であった.(ビオンテック社,ファイザー社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04816643)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 388 : 621 - 34. )