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October 19, 2023 Vol. 389 No. 16

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光干渉断層法ガイド PCI と血管造影ガイド PCI との比較
Optical Coherence Tomography–Guided versus Angiography-Guided PCI

Z.A. Ali and Others

背景

光干渉断層法(OCT)ガイド経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の臨床転帰の,血管造影ガイド PCI と比較したデータは限られている.

方 法

前向き無作為化単盲検試験で,薬物療法中の糖尿病,または複雑な冠動脈病変を有する患者を,OCT ガイド PCI を施行する群と,血管造影ガイド PCI を施行する群に無作為に割り付けた.血管造影群の患者には手技の最後に OCT を行い,術者には結果を伏せた.主要有効性エンドポイントは,OCT で評価した PCI 後の最小ステント面積と,2 年の時点での標的血管不全の 2 つとし,標的血管不全は,心臓死,標的血管心筋梗塞,虚血による標的血管血行再建の複合と定義した.安全性も評価した.

結 果

試験は 18 ヵ国 80 施設で行われた.2,487 例が無作為化され,1,233 例が OCT ガイド PCI 群,1,254 例が血管造影ガイド PCI 群に割り付けられた.PCI 後の最小ステント面積は,OCT 群では 5.72±2.04 mm2,血管撮影群では 5.36±1.87 mm2 であった(平均差 0.36 mm2,95%信頼区間 [CI] 0.21~0.51,P<0.001).標的血管不全は,2 年以内に OCT 群の 88 例,血管造影群の 99 例に発生した(Kaplan–Meier 推定値はそれぞれ 7.4%と 8.2%,ハザード比 0.90,95% CI 0.67~1.19,P=0.45).OCT 関連有害事象は,OCT 群の 1 例,血管造影群の 2 例に発現した.ステント血栓症は,2 年以内に OCT 群の 6 例(0.5%),血管造影群の 17 例(1.4%)に発生した.

結 論

PCI 施行患者において,OCT をガイドとした場合,血管造影をガイドとした場合よりも最小ステント面積が大きくなったが,2 年の時点での標的血管不全の発生率に明らかな群間差は認められなかった.(アボット社から研究助成を受けた.ILUMIEN IV: OPTIMAL PCI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03507777)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 1466 - 76. )