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July 27, 2023 Vol. 389 No. 4

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レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫に対する cilta-cel と標準治療との比較
Cilta-cel or Standard Care in Lenalidomide-Refractory Multiple Myeloma

J. San-Miguel and Others

背景

B 細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする CAR-T 細胞療法であるシルタカブタゲン オートルユーセル(cilta-cel)は,複数の前治療歴のある,再発または難治性の多発性骨髄腫患者に有効である.レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫患者の早期治療として,cilta-cel を検討した.

方 法

第 3 相無作為化非盲検試験で,レナリドミド抵抗性多発性骨髄腫患者を,cilta-cel を投与する群と,医師が選択した有効な標準治療を行う群に割り付けた.全例に 1~3 種類の前治療歴があった.主要転帰は無増悪生存とした.

結 果

419 例が無作為化された(cilta-cel 群 208 例,標準治療群 211 例).追跡期間中央値 15.9 ヵ月(範囲 0.1~27.3)の時点で,無増悪生存期間の中央値は,cilta-cel 群で未到達,標準治療群で 11.8 ヵ月であった(ハザード比 0.26,95%信頼区間 [CI] 0.18~0.38,P<0.001).12 ヵ月無増悪生存率は cilta-cel 群で 75.9%(95% CI 69.4~81.1),標準治療群で 48.6%(95% CI 41.5~55.3)であった.cilta-cel 群の患者は,標準治療群の患者よりも全奏効の割合が高く(84.6% 対 67.3%),完全奏効以上の割合も高く(73.1% 対 21.8%),微小残存病変陰性の割合も高かった(60.6% 対 15.6%).全死因死亡は,それぞれ 39 例と 46 例に発生した(ハザード比 0.78,95% CI 0.5~1.2).大部分の患者が治療中にグレード 3 または 4 の有害事象を報告した.as-treated 集団で cilta-cel の投与を受けた 176 例のうち,134 例(76.1%)にサイトカイン放出症候群(グレード 3 または 4 が 1.1%,グレード 5 はなし)が発現し,8 例(4.5%)に免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(すべてグレード 1 または 2),1 例に運動・神経認知症状(グレード 1),16 例(9.1%)に脳神経麻痺(グレード 2 が 8.0%,グレード 3 が 1.1%),5 例(2.8%)に CAR-T 関連末梢性ニューロパチー(グレード 1 または 2 が 2.3%,グレード 3 が 0.6%)が発現した.

結 論

1~3 種類の前治療歴のあるレナリドミド抵抗性多発性骨髄腫患者に対する cilta-cel の単回投与により,標準治療と比較して,病勢進行または死亡のリスクが低くなった.(ヤンセン社,レジェンド バイオテック社から研究助成を受けた.CARTITUDE-4 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04181827)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2023; 389 : 335 - 47. )