August 24, 2023 Vol. 389 No. 8
腎不全患者の死亡に対する血液濾過透析の効果と血液透析の効果との比較
Effect of Hemodiafiltration or Hemodialysis on Mortality in Kidney Failure
P.J. Blankestijn and Others
腎不全患者では,大量血液濾過透析により,標準的な血液透析よりも利益が得られる可能性があることがいくつかの研究から示唆されている.しかし,出版されているさまざまな研究の限界を考慮すると,追加データが必要である.
ハイフラックス血液透析を 3 ヵ月以上受けている腎不全患者を対象として,実用的国際共同無作為化比較試験を行った.置換液量 23 L/セッション以上(大量血液濾過透析に必要とされる量)の候補であり,患者報告アウトカムの評価を完了することが可能な患者を組み入れた.患者を,大量血液濾過透析を行う群と,従来のハイフラックス血液透析を継続する群に割り付けた.主要転帰は全死因死亡とした.重要な副次的転帰は,死因別死亡,致死的/非致死的心血管イベントの複合,腎移植,あらゆる原因による再入院,感染症による再入院とした.
1,360 例が無作為化され,683 例が大量血液濾過透析群,677 例がハイフラックス血液透析群に割り付けられた.追跡期間の中央値は 30 ヵ月(四分位範囲 27~38)であった.血液濾過透析群における試験期間中の平均置換液量は,25.3 L/セッションであった.全死因死亡は,血液濾過透析群では 118 例(17.3%),血液透析群では 148 例(21.9%)発生した(ハザード比 0.77,95%信頼区間 0.65~0.93).
腎代替療法にいたった腎不全患者に大量血液濾過透析を行った場合,従来のハイフラックス血液透析を行った場合と比較して,全死因死亡のリスクが低くなった.(欧州委員会研究・イノベーションから研究助成を受けた.CONVINCE 試験:Dutch Trial Register 番号 NTR7138)