September 7, 2023 Vol. 389 No. 10
肥満成人に対する GLP-1 受容体作動薬オルフォルグリプロンの連日経口投与
Daily Oral GLP-1 Receptor Agonist Orforglipron for Adults with Obesity
S. Wharton and Others
肥満は,世界中で疾患と死亡をもたらすさまざまな原因の主要な危険因子である.非ペプチド性のグルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)受容体作動薬オルフォルグリプロン(orforglipron)の,肥満成人の体重減少を目的とした 1 日 1 回経口投与の有効性と安全性に関するデータが必要である.
第 2 相無作為化二重盲検試験で,肥満であるか,過体重で体重に関連する併存疾患を 1 つ以上有する非糖尿病成人を登録した.参加者を,オルフォルグリプロンを 4 つの用量(12 mg,24 mg,36 mg,45 mg)のいずれかで 1 日 1 回,36 週間投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.体重のベースラインからの変化(%)を,26 週(主要エンドポイント)と 36 週(副次的エンドポイント)の時点で評価した.
272 例が無作為化された.ベースライン時の平均体重は 108.7 kg,平均体格指数(体重 [kg]/身長 [m]2)は 37.9 であった.26 週の時点での体重のベースラインからの変化の平均値は,オルフォルグリプロンの 4 群では -8.6~-12.6%であり,プラセボ群では -2.0%であった.36 週の時点では,オルフォルグリプロンの 4 群では -9.4~-14.7%であり,プラセボ群では -2.3%であった.36 週目までに体重の 10%以上の減少が得られた割合は,オルフォルグリプロンの投与を受けた参加者では 46~75%であったのに対し,プラセボの投与を受けた参加者では 9%であった.オルフォルグリプロンの使用により,事前に規定した体重関連の指標,心血管代謝の指標はすべて改善した.オルフォルグリプロン群でとくに頻度の高かった有害事象は消化器系の事象であり,軽度~中等度で,主に用量漸増中に発現し,オルフォルグリプロンの中止にいたった割合は 10~17%であった.オルフォルグリプロンの安全性プロファイルは,GLP-1 受容体作動薬クラスの安全性プロファイルと一致していた.
非ペプチド性 GLP-1 受容体作動薬オルフォルグリプロンの連日経口投与は,体重減少と関連した.オルフォルグリプロン群で報告された有害事象は,GLP-1 受容体作動薬の注射剤で認められたものと類似していた.(イーライリリー社から研究助成を受けた.GZGI 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05051579)