The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 25, 2002
Vol. 346 No. 17

  • 天然痘ワクチン希釈液に対する反応
    Responses to Dilutions of Smallpox Vaccine

    天然痘ワクチン希釈液に対する反応

    無作為単一盲検試験で,ワクチン接種歴のない 680 人の健常成人を対象に,種痘ウイルスワクチンの原液,1:5 希釈液または 1:10 希釈液のいずれかを二叉針で皮内接種した.成功率は 3 群すべてで同程度に高かった:それぞれ 97.2%,99.1%,97.1%.局所および全身症状は一般的なもので,被験者の 14%では他の部位に発疹が認められ,これには 2 例の多形性紅斑も含まれた.
    この大規模試験のデータは,供給量の限られている天然痘ワクチンは 1:10 に希釈することができ,健常青年の約 97%で変わらず免疫反応を誘発しうることを示している.初回接種に無反応であった 15 人中 6 人は,すでに中和抗体を有しており,種痘ウイルス曝露歴があったことが示唆される.

  • 天然痘ワクチンの用量効果
    Dose Effects of Smallpox Vaccine

    天然痘ワクチンの用量効果

    種痘ワクチン原液の投与により,成人ボランティア 20 人中 19 人で小疱形成をきたした.1:10 希釈液では,成功率は 70%であった.1:100 希釈液での成功率は,わずか 15%であった.痘疹小疱の出現は,活発な細胞傷害性 T 細胞応答およびインターフェロン γ 産生 T 細胞応答と強い相関があった.
    この試験は,1982 年に生産された種痘ワクチンはいまだに優れた効力を有しているが,希釈が成功率を下げることを立証している.小疱性皮膚病変形成は,防御的免疫応答発現の優れた指標である.

  • 急性呼吸窮迫症候群における肺死腔と死亡率
    Pulmonary Dead Space and Mortality in the Acute Respiratory Distress Syndrome

    急性呼吸窮迫症候群における肺死腔と死亡率

    換気が行われない部分である肺死腔は,人工呼吸を受けている急性呼吸窮迫症候群患者では,正常より大きくなっている.死腔率をこの症候群の経過初期に測定した場合,この値がより高いことは,死亡のリスク増加と独立に関連することをこの研究は明らかにした.
    これらの患者における死腔率増加の原因は明らかではないが,これは,肺血管損傷を反映している可能性がある.ベッドサイドで測定することのできる死腔率は,死亡のリスクがとくに高い患者を同定するのに用いることができるかもしれない.

  • Special Article:営利および非営利健康維持組織
    Special Article: For-Profit and Nonprofit Health Maintenance Organizations

    営利および非営利健康維持組織(HMO)により,ほぼ同質の医療が提供されているかどうかに関しては,いくらか懸念がある.この研究では,営利および非営利 HMO 登録者による医療の評価を解析した.全般的にはほとんど差は認められなかったが,営利 HMO は,非営利 HMO に比べて,健康状態がまずまずまたは不良であると自己報告した患者から,より好ましくない評価を受けていることが明らかになった.
    これらの知見の大部分は,医療に対する認識の差を反映している.この研究には医療の質や患者の転帰に関する客観的指標が含まれていなかった.したがって,この研究は,健康状態の不良な患者が,実際に,非営利 HMO からよい医療を受ける可能性が高く,営利 HMO からよい医療を受ける可能性が低いかに関する情報を提供することはできない.

  • Clinical Practice:ピーナッツアレルギー
    Clinical Practice: Peanut Allergy

    Clinical Practice:ピーナッツアレルギー

    19 歳の女性が,呼吸困難,喘鳴,嘔吐,および全身性潮紅の急性発症のため,救急処置室に搬送された.この女性には,よく管理された喘息があり,乳児期のアトピー性皮膚炎と 5 歳時のピーナツバター摂取後の蕁麻疹の病歴があった.友人によれば,この女性は,症状発現の直前に,自動販売機で購入したチョコチップクッキーを食べた.クッキーの包装紙に記載された原料にはピーナッツは含まれていなかった.それでもこの患者の状態は,どのように処置すればよいだろうか?
    この論文は,米国における,致命的およびそれに近いアナフィラキシー反応の大多数を占める,ピーナッツアレルギーの診断と管理に関する総説である.

  • 最近の概念:天然痘の診断と管理
    Current Concepts: Diagnosis and Management of Smallpox

    1980 年,天然痘の根絶が宣言されたが,いくつかの研究機関では天然痘ウイルスを保持している.バイオテロリズムや事故による放出の可能性から,医師はこの感染性の高いウイルス疾患についての不可欠な臨床事実を知っておく必要がある.ここでは 2 人の専門家が臨床症状,疫学的特性およびワクチンの使用ガイドラインを含む天然痘の治療について概説する.

  • Legal Issues in Medicine:バイオテロリズム,公衆衛生,および市民的自由
    Legal Issues in Medicine: Bioterrorism, Public Health, and Civil Liberties

    2001 年 9 月 11 日にテロ攻撃が起きた直後に,米国疾病管理予防センターは,バイオテロ攻撃による流行病の蔓延を防ぐための措置を規定する国のモデル法を提案した.この法令は,バイオテロリズムによる公衆衛生の非常事態が発生したとき,各州に広範な権力を与えると考えられる.Annas は,バイオテロリズム発生時の市民的自由と公衆の健康を守る必要性との兼ね合いについて議論している.基礎を成している Annas の前提は,このモデル法が,2001 年 12 月に改正されたにもかかわらず,度を超しているということである.