The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 26, 2002
Vol. 347 No. 13

  • 心筋梗塞後のワーファリン,アスピリン,またはそれらの併用投与
    Warfarin, Aspirin, or Both after Myocardial Infarction

    心筋梗塞後のワーファリン,アスピリン,またはそれらの併用投与

    抗血栓療法は,心筋梗塞後に日常的に処方される.この研究では,死亡,非致死的再梗塞,血栓塞栓性脳卒中の複合エンドポイントに対する,ワーファリン,アスピリン,またはその両方の併用投与の効果を比較した.ワーファリンレジメンは両方とも,アスピリンレジメンより優れていた.併用投与レジメンは,ワーファリン単独投与レジメンよりもいくぶん良好であったが,有意ではなかった.
    アスピリンは,心筋梗塞後にもっとも一般的に用いられている抗血栓薬であるが,この研究は,ワーファリンまたはワーファリンとアスピリンの併用投与が,冠動脈イベントの低減においてより有効である可能性を示唆している.しかし,出血エピソードのリスクはワーファリンレジメンのほうが高く,この事実は臨床での決断において考慮されなければならない.

  • 慢性 C 型肝炎に対するペグインターフェロン α -2a とリバビリン併用投与
    Peginterferon Alfa-2a plus Ribavirin for Chronic Hepatitis C

    慢性 C 型肝炎に対するペグインターフェロン α -2a とリバビリン併用投与

    リバビリンと組み合せた,インターフェロンを基礎とした治療法は,慢性 C 型肝炎に対して有効であるが,多くの患者は反応せず,副作用がよくみられる.ポリエチレングリコール(PEG)を結合させたインターフェロンは,標準的なインターフェロンよりも有効である.この大規模試験では,ペグインターフェロンα -2a とリバビリンの併用投与による持続的なウイルス学的反応率(56%)について,インターフェロンα -2b とリバビリンの併用投与(44%)およびペグインターフェロンα -2a 単独投与(29%)に比べて高い結果をもたらした.副作用の発現は,ペグインターフェロンα -2a とリバビリンの併用投与のほうが,インターフェロンα -2b とリバビリンの併用投与よりも少なかった.
    PEG を結合させたインターフェロンを含むレジメンは,副作用がより少なく,より有効であるため,ペグインターフェロンα -2a とリバビリンの併用投与は,インターフェロンα -2b とリバビリンの併用投与よりも慢性 C 型肝炎に対する良好な治療法であると考えられる.

  • 2a 型ナトリウム-リン酸共輸送体の変異によって引き起される低リン酸血症に関連する腎結石症と骨粗鬆症
    Nephrolithiasis and Osteoporosis with Hypophosphatemia Caused by Mutations in the Type 2a SodiumミPhosphate Cotransporter

    腎カルシウム結石や骨脱灰患者には家族内発生が存在することから,これらの疾患に対する遺伝的素因の存在が示唆される.結石患者 14 例と骨脱灰患者 6 例を対象としたこの研究では,全例が低リン酸血症も有しており,腎臓でのリン酸再吸収が低下していたのだが,患者 2 例で 2a 型ナトリウム-リン酸共輸送体に独特な変異が存在することが発見された.
    よくみられる臨床症状の患者において付加的な表現型の特徴を考慮することは,臨床的異常を明らかにする可能性がある変異をもつ候補遺伝子を選択するうえで,役立つであろう.

  • Special Article:重症敗血症に対する活性化プロテイン C 療法の経済評価
    Special Article: An Economic Evaluation of Activated Protein C Treatment for Severe Sepsis

    遺伝子組換えヒト活性化プロテイン C が重症敗血症患者の死亡率を低下させることがこれまでに示されている.活性化プロテイン C の高額な費用(治療単位当り 6,800 ドル)と重症敗血症の高い発生率を考慮すると,活性化プロテイン C の広範な使用に対する経済的影響は重要である.この費用効果分析で,著者らは,活性化プロテイン C は救命-年当り約 2 万 8,000 ドルの医療費を伴い,QOL で補正すると,救命-年当り 4 万 7,000 ドルを要すると報告している.しかし,APACHE II スコアが 24 以下の患者に対する治療には,救命 1 年当り 57 万 5,000 ドル必要となる.
    活性化プロテイン C は,重症敗血症や疾患重症度のより高い患者(APACHE II スコアが 25 以上)に使用した場合,好ましい費用対効果比を示している.APACHE II スコアが 24 以下の患者の治療が経済的に正当化できるかは明らかでない.

  • Clinical Practice:レイノー現象
    Clinical Practice: Raynaud's Phenomenon

    Clinical Practice:レイノー現象

    37 歳の女性が,寒気にさらされると指が青くなることと,疲労,関節痛,疼痛を伴う指の小潰瘍の既往があることを報告している.患者をどのように診断し,治療するべきだろうか?
    この論文ではレイノー現象患者の評価と治療を概説する.

  • Clinical Implications of Basic Research:COX 阻害薬と血栓制御
    Clinical Implications of Basic Research: COX Inhibitors and Thromboregulation

    Clinical Implications of Basic Research:COX 阻害薬と血栓制御

    プロスタサイクリンは,血小板を阻害し血管を拡張させるが,一方トロンボキサン A2は血小板を活性化させ,血管を収縮させる.プロスタサイクリン受容体欠損マウスでは,内膜損傷は動脈内で重大な反応を引き起すが,トロンボキサン A2受容体欠損マウスでは反応を抑制する.これらの知見は,プロスタサイクリンの形成を特異的に阻害するシクロオキシゲナーゼ 2 阻害薬が,心血管疾患に対する感受性を増大させる可能性があるという臨床的懸念と関連している.アスピリンは,プロスタサイクリンとトロンボキサン A2の両方を阻害し,動脈血栓症を防止する.