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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 9, 2003
Vol. 349 No. 15

ORIGINAL ARTICLE

  • 21 トリソミーと 18 トリソミーの妊娠第 1 三半期スクリーニング
    First-Trimester Screening for Trisomies 21 and 18

    21 トリソミーと 18 トリソミーの妊娠第 1 三半期スクリーニング

    この 21 トリソミーと 18 トリソミーの妊娠第 1 三半期スクリーニングに関する多施設共同研究では,母体年齢,遊離ヒト絨毛性ゴナドトロピンβと妊娠関連血漿蛋白 A の母体濃度,胎児項部透過性の超音波検査を組み合せることで,21 トリソミーの胎児の 78.7%を偽陽性率 5%で同定することができた.このスクリーニング法は,18 トリソミーの胎児の同定に対しても感度と特異度が高かった.
    妊娠第 1 三半期におけるこの併用スクリーニング法の使用は,21 トリソミーまたは 18 トリソミーの胎児の同定に対して感度が高く,偽陽性率も許容できる範囲である.

  • 成人期まで続く小児喘息
    Childhood Asthma Followed to Adulthood

    この研究では,質問票,肺機能検査,アレルギー皮膚検査を用いて,大規模な出生コホート集団を 3~26 歳まで追跡した.研究参加者の約 3/4 は,追跡期間中の一時点で喘鳴を報告し,15%は追跡期間中すべての評価時点で喘鳴を報告した.
    これらのデータは,喘息は小児期に発症し,多くの場合持続することを示している.喘息緩和のための介入は,若年小児を標的とする必要があるかもしれない.

  • 慢性骨髄性白血病患者におけるイマチニブに対する主な分子的効果の頻度
    Frequency of Major Molecular Responses to Imatinib in Chronic Myeloid Leukemia

    慢性骨髄性白血病(CML)における重要な分子異常である BCR-ABL 転写量を測定することで,特定の患者における白血病細胞の量を推定することできる.血中 BCR-ABL 転写量の著明な減少は,イマチニブ治療患者において,インターフェロンα +シタラビン治療患者よりもはるかに高い頻度でみられた.
    イマチニブは,CML 治療としてインターフェロン+シタラビンよりも優れていることが判明してきている.この研究は,イマチニブが CML の重要な分子異常に対してより大きな効果をもつことを示している.

  • ゲンタマイシンにより誘導される CFTR 停止変異の修正
    Gentamicin-Induced Correction of CFTR Stop Mutations

    ゲンタマイシンにより誘導される <i>CFTR </i>停止変異の修正

    嚢胞性線維症患者のごく一部には,未熟終止コドンが CFTR 遺伝子に挿入されるという遺伝的欠陥がある.その結果,正常な生物学的機能を果さない,不完全な蛋白質が産生される.
    ゲンタマイシンを局所投与することで,未熟終止コドンにより引き起された CFTR の欠陥を修正することができる.この研究は,この型の嚢胞性線維症患者における長期無作為治療試験への道を開くものである.

CLINICAL PRACTICE

  • 混合型経口避妊薬
    Combination Oral Contraceptives

    性的活動のある 35 歳の健常女性が,経口避妊薬の使用について助言を求めて受診している.女性は喫煙しておらず,静脈血栓塞栓症,心筋梗塞,脳卒中の既往も家族歴もない.血圧は 120/80 mmHg である.経口避妊薬を処方すべきであろうか? また,処方する場合にはどのような製剤を選ぶべきであろうか?

MECHANISMS OF DISEASE

  • 慢性骨髄性白血病
    Chronic Myeloid Leukemia

    慢性骨髄性白血病

    慢性骨髄性白血病(CML)に関する数々の驚くべき発見により,この疾患は,基礎研究と臨床研究とは結び付けることができ,臨床的に重要な進歩を得ることができることを示すモデルとなった.この総説は,CML の病態の理解における最近の進歩と,それが疾患管理をどのように変えたかについて,最新情報を提供している.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 浸透圧の差に注意せよ
    Mind the Gap

    急性骨髄性白血病の既往があり,2 年前に T 細胞除去同種骨髄移植を受けた 62 歳の女性が,移植片対宿主病のために二次的に起きたと考えられるビリルビン濃度の上昇により入院した.血清中のナトリウム濃度は 124 mmol/L であった.