The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 12, 2005
Vol. 352 No. 19

ORIGINAL ARTICLE

  • 運動による心拍数の変化と突然死
    Exercise-Induced Changes in Heart Rate and Sudden Death

    運動による心拍数の変化と突然死

    無症候のフランス人男性を対象とした研究で,運動負荷試験中の心拍数の特徴からその後の突然死のリスクが予測できることが明らかとなった.とくに,安静時の心拍数が高いこと,運動中の心拍数の増加が少ないこと,運動後の回復期における心拍数の低下が遅いことが,突然死リスクの増大と関連していた.著者らは,高リスク患者の心拍数の特徴は,基礎にある自律神経失調が原因である可能性があると推測している.

  • 血中の骨芽細胞系の細胞
    Circulating Osteoblast-Lineage Cells

    血中の骨芽細胞系の細胞

    血中に存在する骨芽細胞系の細胞の数はわずかであると考えられてきた.この研究では,新しい方法を用いて,成人の末梢血中に多数の骨芽細胞が存在することが示された.さらに,その細胞の濃度は,思春期の成長期にある少年と骨折した成人男性において著しく高かった.このことは,血液中には生理学的に意味のある数の骨芽細胞系の細胞が循環しており,これらの細胞は骨形成過程のこれまで認識されていなかった血液成分である可能性を示している.

  • COPD におけるヒストン脱アセチル化酵素活性の低下
    Decreased Histone Deacetylase Activity in COPD

    COPD におけるヒストン脱アセチル化酵素活性の低下

    ヒストン脱アセチル化酵素活性とヒストンアセチル基転移酵素活性のバランスは,炎症細胞の活性をコントロールし,制限する機構のうちの 1 つである.この研究者らは,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者では,健常被験者や,喘息,嚢胞性線維症,肺炎の患者と比べて,ヒストン脱アセチル化酵素活性が低下していることを明らかにした.疾患の重症度が高い患者ほど,低下が大きかった.

  • 早期前立腺癌における根治的前立腺切除術と経過観察の比較
    Radical Prostatectomy versus Watchful Waiting in Early Prostate Cancer

    早期前立腺癌患者を,根治的前立腺切除術または経過観察のいずれかに無作為に割付けた.65 歳未満の男性では,前立腺癌による死亡,遠隔転移,局所進行のリスクの 10 年後の推定値は,経過観察よりも根治的前立腺切除術のほうが優れていた.
    前立腺癌は,前立腺特異抗原(PSA)のスクリーニングによってではなく,直腸指診や,経尿道的切除術後に発見された.それにもかかわらず,この研究では,65 歳以上の男性に根治的前立腺切除術を行っても,継続的に PSA 測定を行わなければ,経過観察と変りがないことが示されている.

BRIEF REPORT

  • 葉酸受容体に対する自己抗体と 脳葉酸欠乏症候群
    Folate Receptor Autoantibodies and Cerebral Folate Deficiency Syndrome

    小児期の脳葉酸欠乏症は,日常生活に支障をきたす神経障害である.この疾患では脳脊髄液中の葉酸が減少するが,血中の葉酸は減少しないため,葉酸欠乏を示す通常の徴候はみられない.この研究から,脳葉酸欠乏症の小児では,葉酸の葉酸受容体への結合を妨げる自己抗体が産生されていることが明らかになった.きわめて高用量の葉酸を投与することで,一部の小児では臨床的改善が得られた.
    葉酸受容体に対する自己抗体は,これまで神経管欠損症に関与するとされていた.この報告によって,受容体に結合する自己抗体について理解が深まり,小児期のある種の脳障害に関する興味深い概念がもたらされている.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 嚢胞性線維症
    Cystic Fibrosis

    嚢胞性線維症

    この嚢胞性線維症の遺伝学と分子機序に関する総説では,最近の進展に重点をおき,このような進展を可能にした歴史的背景について詳述している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱と視力障害を呈する男性
    A Man with Fever and Blurred Vision

    潰瘍性大腸炎の既往がある 38 歳の男性が,毛巣嚢胞の切除とその後の抗菌薬治療から 2 週間以内に,発熱,関節痛,下肢の痛み,皮膚の紫斑性病変,そして視力障害を呈した.診察では,下肢に明瞭な紫斑と,網膜に出血および白斑が認められた.男性は入院中に腹部痛と精巣痛,血便を呈した.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • マトリックスメタロプロテアーゼと腫瘍の浸潤
    Matrix Metalloproteases and Tumor Invasion

    最近の研究では,マトリックスメタロプロテアーゼがプロテアーゼ活性化受容体 1 を切断することによって,癌細胞の移動と浸潤を促すことが示されている.