The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 31, 2006
Vol. 355 No. 9

ORIGINAL ARTICLE

  • 散発性大腸腺腫を予防するためのセレコキシブ投与
    Celecoxib for the Prevention of Sporadic Colorectal Adenomas

    このプラセボ対照試験では,試験登録前に大腸腺腫を切除した患者を対象とした.セレコキシブによる 3 年間の治療後に腺腫の再発リスクは減少したが(リスク比は,セレコキシブ 200 mg 1 日 2 回投与群で 0.67,セレコキシブ 400 mg 1 日 2 回投与群で 0.55),重篤な心血管イベントのリスクが増加した(リスク比はそれぞれ 2.6,3.4).

  • 大腸腺腫性ポリープを予防するためのセレコキシブ投与
    Celecoxib for the Prevention of Colorectal Adenomatous Polyps

    大腸腺腫の既往がある患者を,セレコキシブ 400 mg またはプラセボを 1 日 1 回,3 年間投与する群に無作為に割り付けた.セレコキシブにより,腺腫(累積発生率,セレコキシブ群 34% 対 プラセボ群 49%)と進行腺腫(累積発生率,5% 対 10%)のリスクが有意に減少した.

  • パーキンソン病に対する脳深部刺激療法
    Deep-Brain Stimulation for Parkinson's Disease

    この無作為化試験では,重度パーキンソン病患者 156 例を対象として,視床下核の神経刺激療法と内科的管理単独とを比較した.神経刺激療法により QOL および運動症状に改善がみられた.重篤な有害事象には,神経刺激装置の埋め込み手術に起因する致死的な脳内出血も含まれた.

  • 複数の遺伝的系統のウイルスと関連したマールブルグ出血熱
    Marburg Hemorrhagic Fever Associated with Multiple Genetic Lineages

    コンゴ民主共和国で 1998~2000 年に起きたマールブルグ出血熱 154 例の集団発生では,致死率は 83%であった.集団へのウイルスの導入が複数回同定され,それぞれ独立した感染伝播鎖と関連していた.

SPECIAL ARTICLE

  • 米国における医療費の真価
    The Value of Medical Spending in the United States

    この研究では,1960~2000 年の医療費の増加と平均余命の延びを比較した.著者らは,医療費の増加により,余命延長 1 年当り推定で約 20,000 ドルかかったものの,医療費の増加には意義があると結論付けている.

MEDICAL PROGRESS

  • 脳動脈瘤
    Cerebral Aneurysms

    頭蓋内嚢状動脈瘤は,高い罹患率と死亡率に関連している.最近,この疾患に対するわれわれの考え方と治療法に大きな変化が起った.この総説では,頭蓋内動脈瘤の経皮的血管内治療について,外科的介入と比較しながら論じている.また,診療パターンにおけるこの重要な変化に寄与した,技術的進歩とそれを裏付ける研究について概説している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発熱と肝臓および脾臓に病変を有する男児
    A Boy with Fever and Lesions in the Liver and Spleen

    17 歳の男児が,ドミニカ共和国へ移住した 2 週間後から連日発熱し,熱は抗菌薬治療にもかかわらず 2 ヵ月間続いた.画像検査で肝臓と脾臓に結節があることが判明した.ルーチンの培養検査の結果は陰性であった.診断検査が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • RNA 干渉 ― 注意書
    RNA Interference ― A Cautionary Note

    RNA 干渉は,複数のヒト疾患動物モデルの治療に使用され成功していることから,このアプローチの治療における可能性が期待されている.しかしながら,新しい研究で,このアプローチは生来の遺伝子サイレンシングの機序を妨げ,毒性作用や死亡と関連していることが示された.