The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 5, 2007
Vol. 357 No. 1

ORIGINAL ARTICLE

  • 着床前遺伝子検査を行う体外受精
    In Vitro Fertilization with Preimplantation Genetic Screening

    体外受精(IVF)を受ける母体年齢の高い女性において,卵割段階の胚における異数性の着床前遺伝子検査を行うことにより,妊娠率が向上する可能性が示唆されている.この多施設共同二重盲検無作為化試験において,着床前遺伝子検査を受ける群に割り付けられた 35~41 歳の女性では,体外受精のみを受けた女性よりも継続妊娠率と生児出生率が低かった.この結果は,母体年齢の高い女性において,体外受精の補助として着床前遺伝子検査をルーチンに実施することに異論を投げかけるものである.

  • 航空機の高度が乗客の不快感に及ぼす影響
    Effect of Aircraft Altitude on Passenger Discomfort

    長時間の飛行は,乗客の不快感と関連する.旅客機の客室に似せた高度室で実施されたこの研究では,20 時間の飛行シミュレーション中の症状と酸素飽和度について検討を行った.不快感が報告される頻度は高度の上昇に伴って増加し,8,000 フィートの模擬高度では,動脈血酸素飽和度が 4.4 パーセントポイント低下した.6,000 フィート以下の模擬高度では,不快感が報告される頻度はより低かった.

  • 心血管転帰に関するロシグリタゾンの評価
    Rosiglitazone Evaluated for Cardiovascular Outcomes

    メタアナリシスから,2 型糖尿病治療に用いるチアゾリジンジオン系薬剤ロシグリタゾンにより,心筋梗塞および心血管死亡のリスクが上昇することが示唆されている.継続中のロシグリタゾンの非劣性試験に関する今回の中間解析では,結論は出せないが,心毒性は否定できない.糖尿病患者はただでさえ心血管疾患のリスクが高いため,ロシグリタゾンの心毒性について可能性のあるものは,いかなるものでも報告することが重要である.

DRUG THERAPY

  • 臨床におけるトラスツズマブ
    Trastuzumab in Clinical Practice

    乳癌において,ヒト上皮成長因子受容体 2 型(HER2)の過剰発現は,全生存率の低下と関連している.トラスツズマブは,HER2 を標的としたヒトモノクローナル抗体であり,HER2 を過剰発現する浸潤性乳癌患者に対する使用が米国食品医薬品局(FDA)に承認された.この概説では,トラスツズマブの作用機序と使用について考察している.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 左総腸骨静脈血栓症の発現
    A Sinister Development

    35 歳の女性が,左下肢に進行性の腫脹と疼痛が 2 日間続いたため,救急部を受診した.先行する外傷はなかった.女性の疼痛は,救急部到着前の午前中に急速に増強した.女性は,ほてった感じはするが発熱や悪寒はないという.また,受診の前日に軽度の呼吸困難があったが,関連する胸部不快感や著明な強直はなかったと報告した.

HEALTH POLICY REPORT

  • すべての小児を保険に加入させる ― 新たな政治的重要課題
    Insuring All Children - The New Political Imperative

    米国連邦議会は,医療保険をより安価で利用しやすくするための方策の構築に取り組んできた.両党は,最初の取組みの焦点を小児におくことで合意した.この報告では,米国の小児医療保険プログラムの歴史を概観し,医療保険未加入の小児の数を減らすためにこのプログラムを拡大するという議会案を検討している.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 急性リンパ芽球性白血病の治療抵抗性
    Resistance of Acute Lymphoblastic Leukemia to Therapy

    白血病芽球がアスパラギナーゼに示す抵抗性は,生化学的骨髄微小環境(ニッチ)に依存する可能性がある.