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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です．

July 12, 2007
Vol. 357 No. 2

ORIGINAL ARTICLE

  • BRCA1 と BRCA2 の変異保有者における乳癌の臨床転帰
    Clinical Outcomes of Breast Cancer in Carriers of BRCA1 and BRCA2 Mutations

    イスラエルで行われた登録に基づく乳癌の後ろ向き研究では，乳癌を有するアシュケナージ系女性の 10%が，BRCA1 または BRCA2 の変異を保有していた．乳癌特異的生存率は，これらの変異の保有者と非保有者で同等であった．

  • 慢性 C 型肝炎に対するペグインターフェロン＋リバビリンの 16 週投与と 24 週投与の比較
    Peginterferon and Ribavirin for 16 or 24 Weeks in Chronic Hepatitis C

    この無作為化試験に参加した，遺伝子型が 2 型または 3 型の慢性 C 型肝炎ウイルスに感染した患者において，ウイルス排除率は，ペグインターフェロン＋リバビリン 24 週投与群のほうが 16 週投与群よりも高かった（70% 対 62%，P＜0.001）．迅速な抗ウイルス効果を示した患者のサブグループでは，ウイルス排除率は，24 週投与群で 85%，16 週投与群で 79%であった（P＝0.02）．

  • カナダにおける神経管欠損症と葉酸添加
    Neural-Tube Defects and Folic Acid Fortification in Canada

    1998 年にカナダでは，穀類製品に対する葉酸添加が義務付けられた．著者らは，カナダ 7 州で葉酸添加の実施前後に神経管欠損症の有病率を評価し，実施前後で欠損症の有病率はほぼ半減したこと，減少の程度は各州における添加前のベースライン有病率に比例することを明らかにした．これらのデータは，カナダにおいて，食品への葉酸添加により，神経管欠損症の有病率に対して有益な効果があったことを示すエビデンスである．

SPECIAL ARTICLE

  • メディケアサービスと過去に保険に加入していなかった成人にかかる費用
    Medicare Services and Costs for Previously Uninsured Adults

    1992～2004 年の医療サービス利用に関する経時的な自己報告データを用いたこの研究では，メディケア対象者となる前に保険に加入していなかった成人は，過去に保険に加入していた成人と比較して，65 歳以降の医療サービスの利用が多いことが明らかになった．この知見は，65 歳前にメディケアを適用させるのにかかる追加費用が，65 歳以降にメディケア費用が減少することで相殺される可能性があることを示唆している．

CLINICAL PRACTICE

  • 乳癌の遺伝素因の管理
    Management of an Inherited Predisposition to Breast Cancer

    33 歳の健常女性が，治療方針を立てる目的で受診した．女性に乳房症状はなく，初経年齢は 14 歳で，子どもはいない．家族歴として姉，母親，母方の伯母に若年性乳癌があり，母方の祖父は前立腺癌で死亡している．この女性に，どのようなスクリーニング検査とリスク軽減策を勧めるべきであろうか？

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 頭痛，筋力低下，脳卒中様症状を呈する 58 歳の女性
    A 58-Year-Old Woman with Headaches, Weakness, and Strokelike Episodes

    58 歳の女性が，倦怠感および右半身の筋力低下が最近強くなり，頭痛と読字困難を伴うため入院した．過去 3 年間にも同様のエピソードが生じていたが，その頻度が増し，右半身の筋力低下の残存も認められた．女性には 30 年来の 1 型糖尿病歴があり，網膜症，胃不全麻痺を伴う神経障害，腎症，心血管疾患を合併していた．胃不全麻痺の症状は進行し，患者はさらなる治療を拒否して死亡した．剖検が行われた．

SPECIAL REPORT

  • イングランドにおけるプライマリケアと Pay for Performance
    Primary Care and Pay for Performance in England

    2004 年に英国では，質の高い医療を提供する一般医に報酬を与えるための新プログラムに，32 億ドルが投入された．著者らは医療の質に関する経時的データを調査し，検討した 3 つの慢性疾患のうち 2 つで，この報奨プログラムにより医療の質にわずかな改善がみられた可能性があることを報告している．