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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 1, 2008
Vol. 358 No. 18

ORIGINAL ARTICLE

  • 超高齢者における高血圧
    Hypertension in the Very Elderly

    この研究では,持続性収縮期高血圧の 80 歳以上の患者を,利尿薬インダパミドを投与し,血圧 150/80 mmHg を目標に必要に応じてアンジオテンシン変換酵素阻害薬ペリンドプリルを追加投与する群と,マッチするプラセボを投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.実薬治療により,致死的・非致死的脳卒中のリスクと心血管系の原因による死亡のリスクがほぼ有意に低下し,脳卒中による死亡率と全死因死亡率は有意に低下した.このことから,超高齢者に対する降圧治療は有益である可能性のあることが示唆される.

  • 小児期発症の心肥大の原因
    Cause of Childhood-Onset Cardiac Hypertrophy

    この研究では,過去に成人期発症の心筋症との関連が示唆された遺伝子変異が,小児期発症の心肥大において,孤発例とみられる症例の 49%および家族性症例の 64%の原因となっていることが示された.これらの結果から,小児期発症の心肥大が診断された際には,遺伝子解析および家族調査を行うべきであることが示唆される.

  • 細胞遺伝学的に正常な AML における遺伝子突然変異
    Gene Mutations in Cytogenetically Normal AML

    急性骨髄性白血病(AML)患者の約半数では,細胞遺伝学的な異常は検出されない.このような患者 870 例以上を対象にしたこの研究では,造血幹細胞の増殖と分化に影響を及ぼす遺伝子 NPM1FLT3CEBPAMLL の変異の発生頻度が明らかにされ,これらの変異が治療転帰に関連することが示された.著者らは,AML のリスク分類を改善するために,これらの変異を新たな基準とすることを提言している.

  • 細胞遺伝学的に正常な AML における microRNA の発現
    MicroRNA Expression in Cytogenetically Normal AML

    この研究では,高リスクの分子的特徴を有する,細胞遺伝学的に正常な急性骨髄性白血病(AML)患者における microRNA シグネチャーの構築について概要を述べている.この種の AML は,細胞遺伝学的に正常な AML の約 65%を占め,60 歳未満の全 AML 患者の 1/3 を占めている.microRNA シグネチャーは,臨床転帰と相関するのみならず,自然免疫系の蛋白質をコードする遺伝子の発現とも相関していた.

SPECIAL ARTICLE

  • 産科ケア改善のための行動介入
    A Behavioral Intervention to Improve Obstetrical Care

    アルゼンチンとウルグアイの 19 病院で行われた,産科ケア改善のための多角的介入に関するこの無作為化試験では,分娩第 3 期のオキシトシンの予防的使用率は,介入を受けた病院ではベースラインの 2%から介入後には 84%に上昇し,対照病院では 3%から 12%に上昇した.会陰切開の実施率は,介入を受けた病院では 41%から 30%に低下したのに対し,対照病院では変化しなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • 成人の肥満に対する非外科的管理
    Nonsurgical Management of Obesity in Adults

    44 歳の女性が減量を希望している.女性には,高血圧,日中傾眠,変形性関節症の既往がある.女性は,体重 215 ポンド(98 kg),胴囲 40 インチ(102 cm),体格指数(BMI) 32.7,血圧 140/92 mmHg である.どのような助言をすればよいだろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 基本に戻る
    Back to Basics

    41 歳の女性が,72 時間にわたる心窩部痛,悪心,繰り返す嘔吐,精神の変調のため,夫に連れられて救急部を受診した.女性の血中カルシウムは 18.9 mg/dL(4.7 mmol/L)であることが判明した.