The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 7, 2008
Vol. 358 No. 6

ORIGINAL ARTICLE

  • 心筋梗塞における血栓吸引
    Thrombus Aspiration in Myocardial Infarction

    ST 上昇を伴う急性心筋梗塞に対しては,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を用いた治療が行われるが,血栓物質による末梢の塞栓はこの手技の臨床的有効性を制限する可能性がある.この研究では,PCI 時の血栓吸引により再灌流と臨床転帰が改善した.血栓吸引は,急性心筋梗塞の治療における重要な進歩と考えられる.

  • アバカビル過敏症に対する HLA-B5701 のスクリーニング
    HLA-B5701 Screening for Hypersensitivity to Abacavir

    アバカビルに対する過敏反応は HLA-B5701 と密接に関連している.この世界規模の多施設共同前向き無作為化試験では,アバカビル投与を受けたことがない HIV-1 感染患者 1,956 例を,HLA-B5701 のスクリーニングを受ける群と,標準治療を受ける群のいずれかに無作為に割り付けた.大部分が白人から成る集団において,スクリーニングにより,免疫学的に確認されるアバカビルに対する過敏反応が排除された.この場合は,薬理遺伝学的検査により,この薬剤の毒性作用を予防することが可能である.

  • 2 型糖尿病の死亡率に対する多因子介入の効果
    Multifactorial Intervention and Mortality in Type 2 Diabetes

    この研究では,2 型糖尿病で微量アルブミン尿が持続する患者 160 例に,平均 7.8 年間強化治療または従来治療のいずれかを行い,平均 5.5 年間観察して追跡した.複数の薬剤を組み合わせた強化介入と行動変容により,血管合併症と,全死因死亡・心血管系の原因による死亡の減少において有益な効果が持続するようであった.

  • ハッチンソン・ギルフォード早老症候群の表現型と臨床経過
    Phenotype and Course of Hutchinson-Gilford Progeria Syndrome

    ハッチンソン・ギルフォード早老症候群は,13 歳頃に死にいたる,まれな散発性常染色体優性の早老症候群である.この論文では,この症候群の患児 15 例(1~17 歳)の詳細な表現型を報告している.ほとんどの症例は,異常ラミン A「プロジェリン」を産生する,LMNA 遺伝子変異が原因となっていた.プロジェリンは加齢と共に正常細胞内に蓄積されることから,この症候群に対する理解を深めることで,正常の加齢に対する洞察が得られる可能性がある.

  • メンケス病の新生児診断と治療
    Neonatal Diagnosis and Treatment of Menkes Disease

    メンケス病は,銅輸送遺伝子の突然変異によって起こる,致死性の神経変性疾患である.メンケス病のリスクを有する新生児 81 例を対象としたこの研究では,ドーパミン β ヒドロキシラーゼ活性が低いことを検出するスクリーニング検査に,高い感度と特異度が認められた.メンケス病に対するスクリーニング検査陽性で早期に銅の投与を受けた 12 例の新生児の神経学的転帰は,診断と治療が遅れたヒストリカルコントロール群に比べて良好であった.

CLINICAL PRACTICE

  • 神経原性起立性低血圧
    Neurogenic Orthostatic Hypotension

    65 歳の男性が,6 ヵ月にわたる直立時のめまい,立ちくらみ,脱力,疲労感を訴えている.男性は薬剤を服用しておらず,神経系疾患の既往歴または家族歴はない.身体的検査時の仰臥位の血圧は 160/100 mmHg,心拍数は 1 分間 72 回であったが,直立時の血圧は 70/40 mmHg に低下し,心拍数に変化はなかった.神経学的検査を含むその他の検査の結果は正常であった.この男性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 関連は何か?
    What's the Connection?

    26 歳の男性が,ときおり血の混じる白い喀痰を伴う持続性咳嗽が,1 ヵ月にわたりみられたため来院した.男性は軽度の胸膜痛を訴えたが,呼吸困難,発熱,悪寒,寝汗,体重減少はみられなかった.鼻出血や副鼻腔炎のエピソードはなかった.来院の 1 週間前,男性はアジスロマイシンの経験的治療を受けたが,症状は消散しなかった.