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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 28, 2008
Vol. 358 No. 9
ORIGINAL ARTICLE
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敗血症性ショック患者におけるバソプレシン投与とノルエピネフリン投与の比較
Vasopressin versus Norepinephrine Infusion in Patients with Septic Shock多施設共同研究において,カテコールアミン系昇圧薬による治療を受けている敗血症性ショック患者 778 例を,非盲検での昇圧薬投与に加えて,ノルエピネフリンを投与する群とバソプレシンを投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.28 日目と 90 日目の死亡率,および有害事象の発生率に 2 群間で有意差は認められなかった.
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マラウイの小児における重症の貧血
Severe Anemia in Malawian Childrenアフリカの小児における重症の貧血の治療に関する世界保健機関(WHO)のガイドラインは,主にマラリア,葉酸欠乏,鉄欠乏について取り上げている.重症の貧血を有するマラウイの就学前小児に関するこの研究では,葉酸欠乏と鉄欠乏の頻度は低く,マラリア寄生虫のほか複数の感染性病原体が寄与原因であった.
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全身性エリテマトーデスの新たな 2 つの感受性遺伝子座
Two New Susceptibility Loci for Systemic Lupus Erythematosusヨーロッパ系北米人のゲノムワイド関連解析と,その後スウェーデン人を対象に行った再現性解析により,研究者らは,これまでに示された HLA-DRB1,IRF5,STAT4 の遺伝子座に加えて,2 つの新しい遺伝子座が全身性エリテマトーデスに対する感受性を付与することを示した.これらの遺伝子座は,B リンパ球チロシンキナーゼ遺伝子とインテグリン α M 遺伝子の近傍に存在する.
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5 つの遺伝的変異体と前立腺癌との累積的関連
Cumulative Association of Five Genetic Variants with Prostate Cancer染色体領域 8q および 17q の一塩基多型(SNP)は,前立腺癌に対する感受性と関連しているが,各 SNP と前立腺癌の関連は中等度にすぎない.この研究では,これらの染色体領域において,組み合わさった場合に前立腺癌と強力な関連を示す 5 つの SNP が同定された.関連の強さは,ゲノムにおける前立腺癌関連 SNP の数が多くなると共に強まり,家族歴を有する場合にはさらに強くなった.この研究では,ゲノムワイド関連解析で発見された遺伝的変異体と疾患との弱い関連が,組合せ解析によって強まる可能性を示している.
CLINICAL THERAPEUTICS
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新生児黄疸に対する光線療法
Phototherapy for Neonatal Jaundice新生児の男児が,顕著な黄疸を呈したため小児科を受診した.血清総ビリルビン値は 19.5 mg/dL であった.光線療法が検討されている.正期産児および後期早期産児では,血清総ビリルビン値,在胎週数,生後日数,特異的な危険因子の有無を考慮したガイドラインに従い,光線療法が一般的に用いられている.
MECHANISMS OF DISEASE
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全身性エリテマトーデス
Systemic Lupus Erythematosus全身性エリテマトーデスは多様な症状を呈するが,共通の特徴として二本鎖 DNA に対する抗体が患者のほぼ全例に存在する.この総説では,こうした自己抗体が全身性エリテマトーデスの腎病変を引き起こすことを示すデータを提示し,ヒストン,ヒストンの断片,およびその他の核自己抗原の重要性を強調している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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胸痛と喀血を呈する 17 歳の女児
A 17-Year-Old Girl with Chest Pain and Hemoptysis17 歳の女児が,胸痛と喀血のため当院に搬送された.女児は 3 ヵ月前に,ネフローゼ症候群を伴う膜性糸球体腎炎の診断を受けている.喀血,発熱,頻脈,頻呼吸を伴う胸痛が 2 週間続いたため,女児は当院に入院する前日に他院を受診していた.CT 血管造影法で両肺の動脈に塞栓が認められ,心エコー検査で急性右心負荷が認められた.女児は当院に搬送され,管理の意思決定がなされた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
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マウスモデルにおける鎌状赤血球貧血の治癒
Curing Sickle Cell Anemia in a Mouse Model鎌状赤血球貧血のモデルマウスから採取し,遺伝子修正を行った幹細胞により,マウスの疾患が治癒した.