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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 8, 2009
Vol. 360 No. 2

ORIGINAL ARTICLE

  • 帝王切開の施行時期と新生児の転帰
    Timing of Cesarean Delivery and Neonatal Outcomes

    選択的反復帝王切開を受けた単胎妊娠の女性を対象とした大規模コホート集団において,妊娠 39 週未満で行われた分娩は 1/3 を超えた.39 週以降の分娩と比べて,妊娠 39 週未満での分娩は,39 週の直前 3 日間であっても,新生児死亡,呼吸器合併症,人工換気の必要性,低血糖治療,新生児敗血症,新生児集中治療室への入室などの複合主要転帰のリスク増加と関連していた.

  • 中国における日本住血吸虫の伝播拡大防止策
    A Strategy to Control Transmission of Schistosoma japonicum in China

    中国最大の淡水湖である鄱陽湖周辺の村では,日本住血吸虫(Schistosoma japanicum)の制御に成功した.ヒトと畜牛に対する同時化学療法に加え,巻貝が生息する草地からの畜牛の追出し,衛生設備の改善,強化健康教育などの介入が成功した.このような介入は,中国において国家的拡大防止策として採用されている.

  • 糖尿病に対する血糖コントロールと血管合併症
    Glucose Control and Vascular Complications in Diabetes

    この研究では,コントロール不良の 2 型糖尿病を有する退役軍人 1,791 例を,標準的な血糖コントロールを受ける群と強化血糖コントロールを受ける群のいずれかに無作為に割り付けた.その他の心血管危険因子に対する治療は同様に行った.強化療法群における糖化ヘモグロビン値の目標は,絶対値で 1.5 パーセントポイントの低下とした.主要心血管イベント,死亡,細小血管合併症の発生率に群間で有意差はみられなかった.

  • エベレスト登山者における動脈血ガスと酸素含有量
    Arterial Blood Gases and Oxygen Content in Climbers on Mount Everest

    酸素分圧は気圧の低下に伴って低下し,血液中の酸素の拡散能が制限される.この実地調査で著者らは,登山者の動脈血酸素分圧をエベレスト山頂への登山中と下山中に測定した.記録された酸素分圧はきわめて低く,ヒトは外気中の酸素分圧がきわめて低い環境下にあっても,適応した場合には機能を維持できることが示された.

SPECIAL ARTICLE

  • 中国における喫煙に起因する死亡
    Mortality Attributable to Smoking in China

    中国人成人を対象とした 2005 年のこの大規模前向きコホート研究において,喫煙は死亡率上昇と関連することが示された.著者らは,2005 年の中国における死亡のうち,673,000 件は喫煙が原因であると推定した.喫煙関連死亡の主な原因は,癌,心血管疾患,呼吸器疾患であった.

CLINICAL PRACTICE

  • 白斑
    Vitiligo

    25 歳の健康なブルネット(皮膚・目・毛髪が褐色)の女性が,12 ヵ月にわたる皮膚の色素脱失を訴えている.女性は最初,臀部に白い斑点がみられることに気づいたが,その後さらに肘,すね,上眼瞼,顎の下部に,部分的な色素脱失が生じた.最近皮膚科医に白斑と診断され,日焼け止めの使用を勧められたが,治療効果はほとんど望めないといわれたという.この女性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 認知機能低下の進行する男性
    A Man with Progressive Cognitive Decline

    57 歳の男性が,認知機能低下が進行し当院に搬送された.入院前に全般性てんかんを起こし,その後,錯乱,思考散乱,間欠的な興奮状態になったという.男性は別の病院に入院したが,5 日後に搬送された.男性の妻によると,男性には過去 5 年間に錯乱のエピソードがみられ,この 2 ヵ月間で記憶喪失と作業遂行上の問題が悪化した.男性には,皮膚黒色腫の既往,アルコールおよび薬物の乱用歴,有機溶剤への職業曝露歴がある.脳の MRI 検査にて,白質に散在する異常信号を認めた.診断手技が行われた.