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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

April 1, 2010
Vol. 362 No. 13

ORIGINAL ARTICLES

  • 死亡前の 1 年間における障害の経過
    Trajectories of Disability in the Last Year of Life

    高齢者を対象にしたこの縦断研究では,死亡前の 1 年間における障害の経過として,障害なし,死亡直前の急激な障害,加速的に進行する障害,徐々に進行する障害,持続的な重度の障害の 5 つを同定した.突然死による死亡例の多くは障害がなく,進行性認知症による死亡例の多くは持続的な重度の障害を有していた.しかし,その他の原因による死亡例のほとんどでは,その病態から予測できる障害の経過をたどらなかった.

  • 全ゲノム配列決定と病因
    Whole-Genome Sequencing and Causes of Disease

    シャルコー–マリー–トゥース病などの遺伝的に不均一な疾患の遺伝子診断は困難と考えられている.この研究では,シャルコー–マリー–トゥース病に罹患した 1 例の全ゲノム配列を決定し,SH3TC2(SH3 ドメイン・テトラトリコペプチド反復配列 2 遺伝子)にみられる突然変異が原因であると結論付けている.

  • 前立腺癌リスクに対するデュタステリドの効果
    Effect of Dutasteride on the Risk of Prostate Cancer

    大規模無作為化試験において,前立腺の 5α還元酵素阻害薬デュタステリドの前立腺癌予防効果が検証された.4 年間の試験期間を通じ,生検で発見される前立腺癌の相対リスクは,デュタステリドによりプラセボと比較して 23%減少した.この減少がみられたのは,主にグリーソンスコア 5 または 6 の腫瘍に限られていた.3~4 年目に発見されたグリーソンスコア 8~10 の腫瘍は,デュタステリド群では 12 個であったのに対し,プラセボ群では 1 個のみであった.

BRIEF REPORT

  • グリコゲニン-1 欠損とグリコーゲン合成プライミングの不活化
    Glycogenin-1 Deficiency and Inactivated Priming of Glycogen Synthesis

    筋力低下と心不整脈のみられる患者において,骨格筋でのグリコーゲンの著明な減少と,心臓での異常な貯蔵物質の蓄積が認められた.グリコゲニン-1 遺伝子の配列決定で,1 つの対立遺伝子にナンセンス変異と,もう一方の対立遺伝子にミスセンス変異 Thr83Met が認められた.これらの変異により,グリコーゲン合成のプライミングの不活化が生じた.

SPECIAL ARTICLE

  • 死亡前の事前指示書と意思決定
    Advance Directives and Decision Making before Death

    全米調査のデータより,2000~06 年に死亡した高齢者の 1/4 以上が終末期に意思決定を要したが,その時点で意思決定能力を喪失していたことが示された.これらの対象者のほとんどが事前指示書(リビングウィル[意思表明書],医療に関する意思決定の代理人の委任状,またはその両方)を作成し,希望に添った治療を受けた.この結果から,事前指示書が重要であることが示唆された.

CLINICAL PRACTICE

  • プロラクチノーマ
    Prolactinomas

    42 歳の男性がリビドー減退,勃起不全,頭痛で受診した.体重の変化,女性化乳房,疲労などはないという.薬物は服用していない.睾丸が小さくなっている.プロラクチン値は 648 μg/L(正常値は 15 μg/L 未満)である.MRI で,視交叉の 5 mm 下に,海綿静脈洞に両側性に伸展するトルコ鞍部腫瘤(2.5×1.5×2.0 cm)を認めた.診断と治療はどのように行えばよいだろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 聴力低下の耳以外の理由
    More Than Meets the Ear

    62 歳の全体的に健康な男性が,右耳の「つまった」感覚と,6 週間にわたる聴力低下で受診した.耳鳴,耳痛,めまいはなかった.