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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 13, 2010
Vol. 362 No. 19

ORIGINAL ARTICLE

  • ビスホスホネート製剤と大腿骨転子下骨折・骨幹部骨折
    Bisphosphonates and Fractures of the Subtrochanteric or Diaphyseal Femur

    最近の症例報告と症例集積研究の結果から,ビスホスホネート製剤の使用に関連する大腿骨骨幹部の非定型骨折サブグループの存在が明らかにされた.この研究ではビスホスホネート製剤に関する 3 つの大規模無作為化試験で得られたデータの解析が行われた.ビスホスホネート製剤の使用に関連する大腿骨転子下骨折・骨幹部骨折は非常にまれであり,10 年ものあいだ投与された女性においても低かった.骨粗鬆症患者では,大腿骨骨幹部骨折の潜在的リスクよりも,すでに証明されている骨折減少効果のほうが重視されるものと考えられる.

  • 脳卒中後の上肢機能障害に対するロボット介在療法
    Robot-Assisted Therapy for Upper-Limb Impairment after Stroke

    この無作為化試験では,脳卒中後,上肢機能障害が長期に持続する患者を対象にリハビリテーション療法の評価が行われた.12 週の時点で,ロボット介在集中療法による転帰は,対照集中療法や通常ケアと同等であった.36 週の時点での二次解析では,集中療法を行う 2 群に,通常ケア群と比較して若干の改善が認められた.

  • 母親へのビタミン A 補給と児の肺機能
    Maternal Vitamin A Supplementation and Lung Function in Offspring

    慢性的な栄養不足がみられるネパールの地域で実施された出産前ビタミン A 補給試験の追跡試験として,試験に参加した母親から出生した児のサブグループを調査した.母親が妊娠中にビタミン A 補給を受けた児の肺機能は,母親がプラセボ投与を受けた児に比べ,2~3%高かった.

  • 大腸内視鏡検査の質の指標と中間期癌のリスク
    Quality Indicators for Colonoscopy and the Risk of Interval Cancer

    この大規模な大腸癌スクリーニングの研究では,内視鏡専門医の腺腫発見率とスクリーニング大腸内視鏡検査後の中間期大腸癌リスクに関連が認められた.腺腫発見率が 20%以上の内視鏡専門医が大腸内視鏡検査を行った場合,検査と検査のあいだに大腸癌と診断される確率は低かった.

REVIEW ARTICLES

  • グラム陰性菌による院内感染
    Hospital-Acquired Infections Due to Gram-Negative Bacteria

    院内感染は,人工換気,侵襲性医療機器,外科手術に関連して生じることが多い.グラム陰性菌はその原因の 30%以上を占め,院内肺炎の主な原因である.グラム陰性菌は,抗菌薬耐性のアップレギュレーションや抗菌薬耐性機構獲得の効率が高く,抗菌薬選択圧が存在する場合はとくに高くなる.この総説では,生命を脅かすことの多いこれらの感染について臨床医が知っておくべき最新情報を提示する.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • めまいと転倒を起こした女性
    A Woman with Dizziness and Falls

    54 歳の女性が,転倒するほどのめまいが 2 ヵ月続いたため入院した.めまいは立っているときにのみ生じ,発汗,下肢の脱力感,動悸を伴った.女性には境界域高血圧と心房細動の既往があった.身体所見,神経学的所見は正常であった.起立時バイタルサイン測定では,立位での血圧低下,心拍数上昇が認められた.メクリジン,メトプロロール,輸液,フルドロコルチゾンの投与にもかかわらず症状は持続した.診断検査の結果を受け取った.

SPECIAL REPORT

  • 製薬会社の不正に対する訴訟の内部告発者の体験
    Whistle-Blowers' Experiences in Fraud Litigation against Pharmaceutical Companies

    製薬会社に対して私人による代理訴訟を起こし,ヘルスケアの不正の起訴に成功した内部告発者 26 人にインタビューした.内部告発者は,訴訟中に相当の個人的苦難を受け,平均 5 年間続いたと報告している.彼らは中央値 300 万ドルの支払いを受けた.